飼い主の「ペット遺骨」引き取り増える 家族の一員とお別れを

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あぶくまクリーンセンターにある小動物火葬室の入り口。そばの遺体の預かり所には、花畑の写真パネルを設置している

 福島市の焼却施設「あぶくまクリーンセンター」で、ペットの火葬の受付件数が増加傾向にあり、遺骨の引き取りを希望する飼い主も増えている。背景にはペットを「家族の一員」とする考え方の広がりがあり、こうした状況が今後本格化する同センターの施設再整備に影響を与えそうだ。

 あぶくまクリーンセンターによると、2016(平成28)年度に同センターでは4378体の動物を火葬。このうち、犬や猫などのペットは2176体で、飼い主が遺骨の返還を希望したケースは、5年前より171体多い973体だった。

 返還数の増加は、同センターの業務に大きな影響を及ぼしている。残された骨などをセンター側で処理する場合であれば、数体をまとめて炉に入れることができるが、返還するケースでは1体ずつ火葬しなければならない。1回あたりの焼却時間は2時間前後。フル稼働しても、1日5回が限界だ。このため、返還希望が集中すると、当日だけで処理できないこともあるという。

 同市の仏眼寺では1969(昭和44)年、動物を供養する「畜魂碑」を建立。当時は家畜などを供養する意味も強かったが、今では碑を訪れるのは、「かわいがっているペットを供養したい」という市民がほとんど。同寺の長崎大允副住職は「ペットの納骨で泣き崩れる人がいたり、いつの間にか誰かが新しい花を供えたりしている。まるで、家族や身内のよう」という。

 「お墓の社会学」の著者、槙村久子京都女子大名誉教授は「高齢単身者の増加など、家族の形が小さくなる中で、ペットを家族と同じだと考える人が多くなり、弔いも人と同じようにと考える人が増えている。人間と同様に、火葬埋葬したいというニーズは全国的に高くなっていて、今後も強まっていくだろう」と話す。

 市は現在、老朽化した同センターの再整備に向けた基本構想の策定を進めている。基本構想を巡っては、ペットの火葬に対する市民ニーズの高まりに着目する意見も出ている。基本構想は12月末までに完成する予定で、こうした提案が反映される可能性もある。

 同センターでのペットの火葬は、飼い主が遺体を持ち込んだ場合だと、遺骨の返還を希望しなければ、料金は1体千円。遺骨の引き取りを希望すると、2千円になる。同センターの受付時間内なら、予約は不要だという。