処理水放出「反対出ず」 被災13市町村長と会談終え規制委員長

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首長との会談を終え、記者団の質問に答える更田委員長=いわき市の双葉町いわき事務所

 県内の被災市町村を訪れている原子力規制委員会の更田(ふけた)豊志委員長は12日、東京電力福島第1原発が立地する大熊町や双葉町の町長と会談した。更田氏は終了後の記者団の取材に、放射性トリチウムを含む処理水について「(希釈して)海洋放出することに対し(11、12日の)2日間で訪問した首長の中に大きな反対はなかった」と述べた。

 更田氏は「科学的、技術的に影響が出ないことは理解してもらえているようだが、風評被害の問題は大きく捉えているようだった」と話し「風評被害に向き合うことは東電に決意を求めているが、規制委としても協力したい」と述べた。

 具体的には、放出する処理水の濃度制限値や水量の管理目標値の科学的根拠などを説明するとした。更田氏は今年中に意思決定すべきだとの認識で「(東電が)判断は自分たちでするという姿勢を明確に見せることが必要だ」と指摘した。

 双葉町の伊沢史朗町長は記者団に「(処理水は)大熊町側に貯蔵しているが、対応できなくなった場合、双葉では新たなタンクを設けるのは難しい」との認識を示した。その上で「将来的に飽和状態になった場合、責任ある人が放出について判断しなければならない。東電や国が住民への理解を図り、しっかり決断することが大事だ」と語った。

 処理水を巡り規制委は、貯蔵タンクの設置場所が限られており、法令基準より薄めて海洋放出するよう求めているが、風評被害を懸念する漁業関係者らの反発が強い。更田氏は昨年12月から、原発事故で避難指示が出た市町村などへの訪問を始め、この日までに計13市町村の首長と会談した。