元幕内・双大竜が「引退」 復興支援にも尽力...福島県民に希望

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復興支援イベントで子どもたちと相撲を取る双大竜=2014年8月、いわき市

 日本相撲協会は13日、元幕内で西三段目31枚目の双大竜(35)=本名高橋亮三、福島市出身、時津風部屋=が12日に引退届を提出したと発表した。相撲協会には残らない。

 会津農林高、東農大相撲部から2005年夏場所で初土俵。スピードのある突き、押しを持ち味に09年秋場所で新十両、13年春場所で新入幕を果たした。最高位は西前頭15枚目。11年名古屋場所の再十両から15年春場所まで関取の座を維持したが、幕下転落後は返り咲くことはできなかった。

 東日本大震災以降はたびたび本県を訪れ、日本相撲協会の復興支援イベントや地元高校の相撲部の稽古に参加するなど、復興支援に尽力した。双大竜は13日、福島民友新聞社の取材に対し「関取落ちしてからけがの状態もあり、気持ちがついていかなくなってしまった。応援してくださった方々へは感謝の気持ちしかない」と語った。

 福島県内関係者からねぎらいや惜しむ声

 大相撲の双大竜(35)=本名・高橋亮三、時津風部屋、福島市出身=の現役引退が発表された13日、県内の関係者からはねぎらいと引退を惜しむ声が寄せられた。

 日本相撲連盟参与で県相撲連盟名誉会長の門馬秀夫さん(88)は「震災後に相馬地域で開かれた復興大相撲大会では、被災した子どもたちに優しく寄り添い、大きな希望を与えてくれた」と感謝。

 県相撲連盟の坂内和彦会長(64)は「力士を志す本県の子どもたちの先頭に立ち、頑張ってくれたことに感謝している」とねぎらい「引退後も、後に続く子どもたちに自身の経験を伝える機会をつくってもらいたい」と話した。

 会津農林高相撲部時代、監督として指導した東海林義一さん(63)は「小さい体で頑張り幕内まで上がったことは私にとって誇り」とたたえた。

 古里の福島市民らでつくる「双大竜を励ます会」の粕谷悦功代表世話人(68)は「福島市出身の力士としてここまでよく頑張ってくれたと思う。双大竜がいたからこそ、後に続く福島市の力士たちも育ったと思う」とコメント。高校、大学の相撲部の同級生で、共に稽古に汗を流した元幕下力士、朱雀のしこ名で活躍した米村太さん(35)=会津若松市=は「稽古への姿勢や普段の生活も真面目な力士だった」と振り返り「2月の断髪式に足を運んで、本人に直接『お疲れさま』と伝えたい」と感慨深げに語った。