「命救った発電機」が絵本に 広野・高野病院の奮闘記

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絵本「たかのびょういんのでんちゃん」を手にする高野さん(右)と菅野さん

 原発事故後も避難せずに診療を続けている広野町の高野病院を運営する医療法人社団養高会理事長の高野己保(みお)さん(50)が原案、いわき市のイラストレーター菅野博子さん(54)が文と絵を手掛けた絵本「たかのびょういんのでんちゃん」が17日、岩崎書店(東京)から出版される。

 高野病院は2011(平成23)年3月11日の東日本大震災で停電した。入院患者を抱える中、病院機能を維持するため、自家発電機を5日間、極限までフル稼働したことで患者の命が救われた。

 高野さんは、震災の3年後に病院を離れた発電機を「でんちゃん」の愛称で呼び、その奮闘記をエッセーにしたためた。出版関係者の目に留まり、絵本の出版実績がある菅野さんに文とイラストが託された。

 作品について「でんちゃんは動けないので、目と口だけで思いを表現した」と菅野さん。高野さんをモデルにした「みおちゃん」、16年12月30日に自宅の火災により亡くなるまで唯一の常勤医として診療を続けた元院長の高野英男さん=当時(81)=も登場する。

 高野さんは「夢が形になって感無量」と感想を話し、「震災を知らない子どもたちでもキャラクターを通じて心に残り、成長したときに当時の状況を理解してほしい。幅広い世代に震災の記憶が伝われば」と期待する。菅野さんは「震災には悲しい記憶が多いけれど、『小さなヒーローが頑張って命を救った』という物語がいつまでも思い出されてほしい」と思いを語った。

 カラーの32ページ。価格は1400円(税別)。全国の書店で販売される。