室屋義秀選手、未来切り開く エアレース・新シーズン開幕へ決意

  このエントリーをはてなブックマークに追加 
2018年シーズンの開幕に向け、意気込みを語る室屋選手=18日午前

 レース専用飛行機の国際レース「レッドブル・エアレース・チャンピオンシップ」の昨シーズンの年間総合王者、室屋義秀選手(44)=福島市=は18日、新シーズン開幕を前に東京都内で記者会見した。「福島は今、未来に向かって新しいものをつくっていく時期にある。復興の流れに合う形でさまざまな活動をしていきたい」。レースでの活躍を誓うとともに、本県での航空宇宙分野の人材育成、産業づくりに強い決意を語った。

 「復興の流れに合う活動を」

 「多くの支えがあり、ノウハウが蓄積された結果、世界一に届いた。こうしたことを次の世代に伝えていく活動に力を入れていきたい」。室屋選手は多くの報道陣が集まった記者会見で、第一人者としての使命感を口にした。

 「産業づくりと人づくりを同時に進めていく」とし、拠点とする福島市のふくしまスカイパークに、子どもたちを対象とした航空教室が開催できる展示場が秋にも完成するほか、自動車関連部品製造の「サード」の軽飛行機研究開発拠点が整備されること、日体大のパイロット養成が2020年にも始まることを紹介。本県の航空宇宙産業の活性化に向け、小型無人機「ドローン」の実証実験などに取り組む浜通りのロボットテストフィールドと連携したい意向も明かした。

 室屋選手に憧れる子どもたちに向けては「パイロットは心技体が必要。バランス良く運動して勉強もするということが重要だ」と言葉を送った。

 県民栄誉賞と福島市ふるさと栄誉賞を受賞した室屋選手。「私の役割は現状を正しく世界に伝えていくことだ」と、本県在住のパイロットとしてレースを通し震災、原発事故に伴う風評の払拭(ふっしょく)にも取り組んでいくことも誓った。

 室屋選手は2016(平成28)年、みんゆう県民大賞のスポーツ賞を受賞している。

 「昨年の経験あるのは有利」

 室屋選手が「ディフェンディングチャンピオン」として臨む新シーズンは世界各地で開く全8戦で争われる。開幕戦アブダビ大会は2月2、3の両日、アラブ首長国連邦のアブダビで開かれる。室屋選手は18日、「昨年のことはさておいて新シーズンに一から取り組む。昨年の経験があるのは有利だ」と、年間総合V2に向けた意気込みを語った。

 室屋選手は新シーズンに向けて機体の改良に取り組んでいることを明かした。昨シーズン年間総合優勝を果たした機体だが「1年で1秒くらい(レースの)ペースが上がってくるので、昨年のままでいくと勝てなくなる。開発競争が続いており、一歩立ち止まるとあっという間に置いていかれる。昨年のことは忘れてやっていく」と述べた。

 第2戦カンヌ大会以降、アップデートした機体で大会に臨むという。