各界トップリーダーと若者が福島県の未来議論 県民公開大学

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生徒の質問に答えながら議論を進める(左から)山崎氏、宮田氏、小泉氏、佐々木氏

 放射線災害医療分野などの先端的な研究に取り組む文部科学省の「放射線災害・医科学研究拠点」を構成する福島医大と広島大、長崎大は20日、福島市で第2回ふくしま県民公開大学を開いた。「復興からイノベーションへ」をテーマに、各界のトップリーダーが本県の若者と白熱した議論を繰り広げた。

 約700人が出席。「ふたばの教育復興応援団」のそれぞれメンバーでもある自民党筆頭副幹事長の小泉進次郎氏、クリエーティブディレクターの佐々木宏氏、文化庁長官の宮田亮平氏、宇宙飛行士の山崎直子氏の4人が、中学、高校生や大学生と将来の進路や人工知能の進化などを巡り意見を交わした。

 「自由な考え方」若者刺激

 各分野の第一線で活躍するパネリスト4人の自由で独創的な発想が県内の若者の思考を刺激し、議論は大いに盛り上がった。

 議論のテーマは「復興からイノベーションへ」。「今のままでは、日本ではイノベーションは生まれないのではないかという懸念がある」。自民党筆頭副幹事長の小泉進次郎氏は高校生や大学生を前にそう問題提起。「日本のチームワークは素晴らしいが、限界がある。仲間は必要だけど、『1人でもやってやろう』という思いがないと世の中変わらない。それを忘れないでほしい」と呼び掛けた。

 議論のテーマは多岐にわたり、ある学生は「人工知能(AI)が人間の知能を追い越すシンギュラリティー(技術的特異点)が近年起きるとされている。人間はどうすればよいか」と質問。文化庁長官の宮田亮平氏は「美しさに気付き、ときめく『自分』があるからこそイノベーション(革新)が起こせるのであって、まずは自分を好きになることが大事。こう考えれば、人間が人工知能の前を行くか、後ろなのかという議論は存在しない」と指摘。

 一方小泉氏は「医療、特に画像診断の分野は人工知能の方がいい。どの分野が人工知能に置き換わるかを考えながら、国も投資していかなければならない」と意見を述べた。

 学生たちにとって身近な「(進学などで)いったん県外に出るべきか、それとも故郷福島にとどまって力を付けるべきか」という問題もテーマとなった。学生たちからは双方の意見が出たが、クリエーティブディレクターの佐々木宏氏は「昔と違い、今はスマートフォン1台あればいろんな経験ができる。(鳥瞰(ちょうかん)的な)鳥の目線にもなれるし、いろんな人の意見もインターネットで探ることができる。福島にいても外に出ても同じで、福島から世界を見る時期にしてもいいのかなと思う」と語った。

 宇宙飛行士の山崎直子氏はコミュニケーションの重要性について指摘。「宇宙でのコミュニケーションは言語だけではなく全てが問われる。仲間との信頼関係は非言語のもので構築されるケースも多い」と語った。

 福島高3年の生徒(18)は「ここが福島だからこそ集まってくれた方々の話が聞けてうれしかった。普段県内では聞けないような自由な考え方だった」と感想を話した。

 ふくしま県民公開大学の冒頭では竹之下誠一福島医大理事長があいさつし「復興に向けては若い力が必要だ。明るい未来の構築に向け3大学力を合わせ福島の復興に尽力していく」とあいさつ。内堀雅雄知事もあいさつした。議論に先立ち、磐城高放送委員会のメンバーとふたば未来学園高の生徒、福島医大災害医療系サークル「Fukushima WILL」のメンバーが取り組みを発表した。