「補償額」20年度から段階的引き下げ 中間貯蔵用地・地上権

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 東京電力福島第1原発事故に伴う県内の除染で出た土壌などを最長30年間保管する中間貯蔵施設(双葉町、大熊町)用地の早期確保に向け、国は2020年度から、「地上権設定」で地権者と契約する際の補償割合を段階的に引き下げる。引き下げ幅や新たな割合の適用期間などは今後検討する。19年度末までは、土地価格の70%を一括で支払う現行の割合を維持する。

 環境省が25日発表した。地上権設定は、土地の所有権を地権者に残したまま国が用地を使用する契約。中間貯蔵施設で保管される汚染土壌などは30年以内に県外へ搬出して最終処分すると法律で定めている。契約を結ぶ時期が遅くなるほど土地を使用する期間が短くなるため、土地の買収価格の70%を上限に、割合を段階的に引き下げる。

 環境省は割合を引き下げる時期を20年度からとした判断について「物件調査を承諾した地権者約300人に今後、補償額を提示し交渉を進める期間として2年間を見込み、設定した」としている。

 中間貯蔵施設を巡っては、早期整備に向けた用地取得の推進が求められている一方、先祖伝来の土地を手放すことへの抵抗感を抱く地権者も少なくない。20年度から割合を引き下げる方針を国が示したことで、地権者の一部が早期契約を迫られていると受け止める可能性もある。県は「地権者が不利益とならないよう、国には引き続き地権者に寄り添った丁寧な対応、説明を求めたい」(中間貯蔵施設等対策室)としている。

 環境省によると、地権者有志でつくる「30年中間貯蔵施設地権者会」は、地上権の設定で最長30年間、土地価格の5~6%分を毎年支払うことを求めており、環境省と協議を続けている。同会が求める方式で30年間補償を受けた場合、現行の70%一括払いの補償額を上回ることになる。環境省はこれまで契約した地権者との公平性を保つ観点から、現行の補償方式への理解を求めている。