大部分「銀浮き」の可能性 秋山庄太郎氏遺作の損傷、福島市教委

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これまでの調査で「銀浮き」と確認された作品の一部

 福島市が所蔵する写真家故秋山庄太郎氏の遺作100点以上にカビなどの損傷が見つかった問題で、市教委は30日までに、作品のカビとみられていた損傷の大部分が、写真の経年劣化による「銀浮き」の可能性が高いとの調査結果をまとめた。

 ただ、これまでの調査では、管理体制の不備が原因とみられる傷などがあった作品も多数確認されており、市は改めて管理体制を見直し、展示の再開を目指す。

 市教委が実際に秋山氏の収蔵作品を現像した東京都内の会社に依頼し、カビと指摘を受けた作品の一部について詳細な調査を行っていた。

 その結果、管理の不備で作品に発生したと指摘されていたカビの大部分が、作品の経年劣化に伴う銀浮きだったことが判明したという。

 市教委によると、銀浮きは、現像に使われた銀を含む化学物質が写真の表面に浮き出る現象。主に写真の経年劣化が要因で起きるとされており、発生を防ぐことは難しいという。

 市教委は、銀浮きと確認された秋山氏の作品について「銀浮きを含め、当時の技術で現像されたことも貴重な価値の一つ」(市教委)として、現時点では修復は行わない方針だ。

 同作品を収蔵する同市写真美術館「花の写真館」は東日本大震災で被災し、早ければ2019年度の再開を目指して復旧を計画している。市教委は、銀浮きの出た作品についても同館再開後、展示可能なものは展示を再開したいとしている。

 この問題を巡っては15(平成27)年の調査で、市教委が所蔵する秋山氏の作品約320点のうち、146点について損傷が確認されていた。このうち56点はカビとの指摘があり、銀浮きとされていたのは11点のみだった。

 また、調査の過程で見つかった所有者不明の作品83点については、現時点で所有者が判明していないため、市が管理を継続する方針だ。