相馬・松川浦「青ノリ」7年ぶり出荷 相双漁協、750キロ収穫

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摘み取った青ノリの出来を確認する大森さん=5日午前、相馬市・松川浦

 相馬双葉漁協は5日、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の影響で自粛していた相馬市松川浦の青ノリの出荷を、7年ぶりに再開した。東日本最大の産地にノリを摘み取る光景が広がり、漁業者は漁業復興へ笑顔を見せた。

 午前6時30分ごろ、12人が同漁協松川支所前の船着き場から船9隻で出漁し、ノリ棚に着くと専用の機械で青ノリを摘み取った。約750キロを収穫し、放射性物質検査は検出限界値(1キロ当たり12.5ベクレル)未満だった。

 同漁協理事で松川浦地区代表の菊地寛さん(72)は「待ちに待った出荷で出来は上々」と話した。試験操業の一環で4月末まで実施。生ノリのほか、乾燥ノリが県内を中心にしたスーパーなどに並ぶ。

 漁業者の大森東さん(70)はノリを吸引する専用の機械を手に「久々の感覚。本当にうれしい」と声を弾ませ、「本格再開へここがスタート。道筋を付けたい」と話した。

 大森さんの家は4代続けてノリを養殖してきた。早くに父を亡くし、15歳で本格的に漁業に就いた。津波でノリの種場はほぼ全滅したが、「仕事を変えることは考えなかった。ノリをやっていこうと決めていた」。海底の地形が変わったことで道のりは険しかった。他の漁業者と一緒にがれきの撤去や種場の再生、天然種(胞子)の増殖に取り組み、再開にこぎ着けた。大森さんはノリの出来を確認しながら、笑みを浮かべた。

 ただ、出荷まで7年を要したことで後継者は離れてしまったという。今季の出荷量も震災前の10分の1程度になる見込みだ。大森さんは「松川浦でノリが生産される光景が続くよう、出荷を続けていきたい」と力を込めた。