正しく伝える『最新の福島』 パネル討論、教訓を社会で共有へ

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「アップデイトふくしま」宣言をまとめる開沼さんらパネリスト

 東京電力福島第1原発事故から7年を迎える中で、本県の現状を正しく伝える手法を考えるパネルディスカッション「知って応援。伝えて応援。アップデイトふくしま」が10日、東京都内の国連大学で開かれた。立命館大准教授の開沼博氏(いわき市出身)らが議論を重ね、本県の現状や原発事故で得られた教訓を社会で共有するための宣言をまとめた。

 開沼氏や東大名誉教授の早野龍五氏ら本県で復興支援に関わる有識者でつくる実行委員会と環境省、国連大学の共催。本県に対する誤解やインターネット上にある誤った情報などを、正しくアップデイト(最新の情報に更新)するために企画し、「今を伝える」「今がどのように伝わっているか」などをテーマに意見を交わした。

 宣言は、総括パネルディスカッションに参加した開沼氏ら7人のパネリストが壇上で議論しながらまとめた。〈1〉福島への誤解や偏見、それに基づく差別は根深くあるが、問題解決に向け正しい情報を教育などを通じて共有する〈2〉福島の復興の現場で生まれている価値観は、福島以外でも原発事故後の社会づくりに役立つヒントとなるので「福島発のモデル」として発信する―などが主な内容となっている。

 特に情報伝達の方法については「科学的・数値的な話だけでは解決しない問題も存在する」と指摘した上で、課題に直面した個人だけではなく、広く社会に向けて「互いに信頼して学び合える顔の見える関係」を構築して丁寧に発信する必要性を指摘した。宣言の全文を近くネット上などで正式発表する見通し。