がん細胞増殖「抑制構造」発見! 福島医大・植村講師らチーム

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 福島医大解剖・組織学講座の植村武文講師(38)と和栗(わぐり)聡教授(53)らの研究チームが、がんの原因遺伝子として知られるタンパク質「上皮成長因子受容体(EGFR)」の細胞増殖を抑えるメカニズムを発見し、英国のオンライン科学誌「サイエンティフィックリポーツ」に発表した。このメカニズムを利用した抗がん剤の開発が期待されるという。

 発表は1月22日付。研究チームによると、EGFRは細胞膜上に存在し、正常な細胞が増殖する際に重要な役割を果たすが、異常が起きるとがんの原因になる。研究では、細胞の中にあるタンパク質「GGA(ギガ)2」の量が少なくなると、EGFRは「リソソーム」と呼ばれる細胞内で分解を専門に行う場所に運ばれて分解されやすくなることを突き止めた。

 現在、抗がん剤としてEGFRの機能を阻害する薬が使用されているが、がん細胞は薬への耐性を得て再増殖してしまうため、別のメカニズムを利用した抗がん剤の開発が求められている。今回の発見が新たな抗がん剤の開発につながることが期待されているという。

 研究チームは肝細胞がんと大腸がんの細胞約40種類を分析し、約8年かけて福島医大単独で研究成果をまとめた。研究当時同講座講師だった亀高諭名古屋大教授も加わった。

 和栗教授は「創薬のターゲットになり得るメカニズムを見つけることができた。さらに詳細を追究していきたい」と話している。