「地域医療」支える力に 福島医大卒業式、例年より高い定着率

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後輩たちと記念撮影しながら、別れを惜しむ赤沼さん(中央)

 福島医大は21日、福島市の同大で卒業式を行い、227人が学びやに別れを告げた。医大関係者によると、震災と原発事故から約1年後の2012(平成24)年に入学した医学部卒業生のうち4分の3が4月から県内で研修医になる予定。県内定着率が例年より高くなった。卒業生は「地域医療の力になれるよう励む」と力強く語った。

 卒業式には医学部生99人、看護学部生87人、大学院医学研究科生34人、大学院看護学研究科生7人が臨んだ。医学部生は県内出身が51人、県外出身が48人。看護学部生は県内が68人、県外が19人だった。竹之下誠一学長が一人一人に卒業証書などを手渡し「前例のないチャレンジに挑み、新たな前例をつくるキーパーソンとして活躍してほしい」と言葉を贈った。

 医学部・赤沼さん「地元のため」残る決断

 「私たちの多くが福島県に残る決断をした。私たちの力が、少しでも復興を加速させることができればと考えている」。式で卒業生代表として謝辞を述べた医学部卒業生の赤沼春菜さん(24)は決意を口にした。

 郡山市中田町出身、安積高卒。地元には農家も多く、震災と原発事故後は風評被害に心を痛めた。「地元のために尽くしたい」。4月から、同市の太田西ノ内病院で卒後臨床研修を始める。

 深刻な医師不足が続く本県。「地域医療は必要な所に必要な人材を配置できるようにすることが大事。自分も必要とされる医師になれるよう、力を付けていきたい」と考えている。

 医学部卒業生は大学で学んだ6年間と、震災と原発事故からの復興の歩みとが重なった。埼玉県出身の宇之沢和貴さん(24)は、震災が起きたことがきっかけで福島医大医学部に入学したという。「力になろうと考えて福島に来た」。志そのままに、4月からは研修医として県内で働く。

 大学関係者によると、4月から県内で卒後臨床研修を始める研修医は約120人で、過去最多だという。