津波対策保留に「力抜けた」 東電社員が証言、強制起訴公判

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 福島第1原発事故を巡り、業務上過失致死傷罪で強制起訴された東京電力旧経営陣3人の公判は10日午後も、東京地裁(永渕健一裁判長)で検察官役の指定弁護士による東電社員の証人尋問が続いた。

被告の武藤栄元副社長(67)が2008年に津波対策を保留したことについて、社員は「検討を進める方向だと思っていたので、力が抜けた」と証言した。

 この社員は08年6月、国の地震調査研究推進本部の長期評価を基に、最大15.7メートルの津波が原発の敷地を襲うとした試算を武藤元副社長に報告。

元副社長は防波堤建設などの対策を調べるよう指示したが、同年7月には対策を見送って、試算手法の妥当性の検討を土木学会に依頼すると決めた。社員は「それまでの指示からは予想できない結論だった」と話した。

 他に強制起訴されたのは勝俣恒久元会長(78)と武黒一郎元副社長(72)。

 次回公判は11日に開かれ、指定弁護士と弁護側の双方が引き続き同じ社員を尋問する。