大熊の「準備宿泊」24日開始決定 19年春解除目指し課題整理

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 政府の原子力災害現地対策本部は11日、東京電力福島第1原発事故で全町避難が続く大熊町の一部地域で、住民の帰還に向けて夜間も含め長期滞在できる準備宿泊を24日から始めると発表した。第1原発が立地する大熊、双葉両町での準備宿泊は初めて。町が目指している来年春の避難指示解除まで続ける。

 町は来春、復興拠点とする大川原地区(居住制限区域)に整備する新庁舎での業務再開も予定しており、今後町民の帰還に向けた動きが本格化する。

 準備宿泊の対象となるのは、大川原と中屋敷(避難指示解除準備区域)の両地区。2地域の人口は4月1日現在139世帯379人。両地区では2016(平成28)年から特例宿泊を実施。3月13日~31日の第6回には8世帯15人が宿泊していた。

 準備宿泊の実施について町は、24時間365日対応で救急医療を提供する県ふたば医療センター付属病院(富岡町)が23日から診療を始めるほか、町内を見回る町民らの活動拠点で警察官立ち寄り所も兼ねた「安心安全ステーション」が24日に開所するなど、医療や安全面で環境が整うと判断した。

 11日、町議会全員協議会で日程などについて了承を得た。渡辺利綱町長は取材に「準備宿泊の中で課題を克服し、避難指示解除に向けて準備を進めていきたい。来春の役場庁舎の業務再開を核に町全体の除染を進め、帰還に向けた環境を整備していく」と述べた。

 一方で準備宿泊の対象地域の人口は、町全体の3.6%にとどまる。渡辺町長は「避難指示解除に向けてスタートするのは一部地域。町の大半は帰還困難区域で、全体をどうするかが非常に大きな課題だ」と語った。