「小高の猫おじさん」が人気 南相馬、愛らしい猫に笑顔の輪

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「ごんた」と自転車で散歩する井戸川さん

 自転車のかごに飼い猫を乗せてさっそうと走る「小高の猫おじさん」が、南相馬市民の間で「ほほ笑ましい」とひそかな人気を集めている。

 猫おじさんは、2016(平成28)年7月に避難指示が解除された南相馬市小高区飯崎の自宅に暮らす井戸川富江さん(69)。17年春、7歳の雄猫「ごんた」と一緒に避難先から帰還した。

 震災と原発事故に伴い、井戸川さんは同市原町区の体育館に避難。ごんたは福島市の保護施設に避難を余儀なくされ、一時は離れ離れになった。

 半年後、ペット同伴可能な南相馬市内の仮設住宅に移れたことで、大切な"家族"と共同生活を再開させた。

 「ごんたの無邪気な姿に何度も励まされた」と避難生活を振り返る。

 里親を探していた近所の人から子猫を譲り受けたのが井戸川さんとごんたの出合い。0歳時から自転車のかごの中がお気に入りの場所で、外出時も常に一緒だ。

 飛び出し防止用のリードを身に着けてもらったごんたは、特等席で心地よい風を受け、生まれ故郷の風景を澄まし顔で見つめている。

 井戸川さんは「地元の子どもたちが元気に手を振ってくれる」と喜ぶ。その愛らしい姿に、小高区で笑顔の輪が広がっている。