腫瘍減退の仕組み発見 福島医大グループ、新抗がん剤開発に期待

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 福島医大新医療系学部設置準備室の北爪しのぶ教授(50)らの研究グループが、腫瘍内の糖鎖「α2、6―シアル酸」がなくなると腫瘍の血管部分の細胞が死にやすくなるメカニズムを発見し、10日までに英国の科学雑誌「オンコジーン」オンライン版に発表した。研究成果は、従来にはない効果を持つ抗がん剤の開発につながる可能性があるという。

 研究グループは実験で、「α2、6―シアル酸」が欠損しているマウスと通常のマウスそれぞれに腫瘍細胞を移植した。結果、欠損しているマウスは腫瘍の成長が通常のマウスより遅くなった。この糖鎖がないと、腫瘍内の血管部分の細胞に異常なシグナルが伝わり、細胞が死にやすくなることが分かった。

 研究グループは現在、この糖鎖を作用しないようにするための化合物を探している。新たな化合物が見つかれば、抗がん剤として使われる「血管新生阻害剤」の開発につながるという。

 血管新生阻害剤は既に使われているものがあるが、期待したほどの効果が得られないケースが多いという。

 北爪教授は「既存の薬で用いられているものとは異なるメカニズムを発見した。血管新生阻害剤として新しい効果が期待できる」と話している。

 研究グループには理化学研究所の研究者のほか、福島医大看護学部の本多たかし教授が加わった。