「野口英世の生家」国文化財答申へ 左手やけどのいろりなど保存

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国の登録有形文化財に答申される見通しになった野口英世の生家=猪苗代町・野口英世記念館

 猪苗代町出身の世界的医学者野口英世の生家が7月にも、国の文化審議会で登録有形文化財(建造物)に答申される見込みとなった。英世が黄熱病のためガーナで没して90年目の節目に登録されれば、医学にささげた生涯や功績に改めて光を当てる機会となる。

 猪苗代町は2月、野口英世記念会が管理する生家を「野口英世生家主屋」として文化財登録するため国に意見書を提出。今月開かれた町文化財保護審議委員会で町担当者が、7月に予定されている国の文化審議会で答申される見通しになったことを報告した。

 生家は野口英世記念館内に保存されている木造平屋建てのかやぶき屋根の古民家。建築されたのは、野口家2代目清太郎の代の1823(文政6)年とされ、当時の代表的な農家のたたずまいを今に伝える。

 英世が1歳半の時に左手にやけどを負ったいろりや、上京する時に柱に刻んだ「志を得ざれば再び此地(このち)を踏まず」との決意文などが当時のまま保存されている。

 英世が米国にいた大正初期には家屋の傷みが激しく倒壊寸前となったため、作業小屋として使われていた。

 しかし英世の死後、細部の補修が行われ、ゆかりの人たちによって設立された野口英世記念会が保存・管理するようになった。

 財団法人化された記念会は1939(昭和14)年に野口英世記念館を開館、54年には県登録博物館の第1号となった。