「体外受精卵の新培養法」開発 乾クリニック、妊娠率向上期待

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妊娠率向上が期待される体外受精の培養システム「マイクロフリューディックディッシュ」

 郡山市の産婦人科、乾マタニティクリニック(乾裕昭院長)は、体外受精で人間の動脈などに近い形で培養液を循環させ、受精卵を発育できるような培養システム「マイクロフリューディックディッシュ」を開発した。これまで体外受精では静置や溜(ため)置きの培養法しかなかったが、新しいシステムでは研究で従来の培養法よりも発育率が向上したことが示され、妊娠率向上に向けた体外受精のシステムとして期待が集まる。

 同システムは、専用の培養皿に受精卵を設置し、培養液タンクから培養液を水圧の変化で栄養分とともにゆっくりと流していく。老廃物は廃液タンクに流れる。培養液を流すことで、体内で受精卵が発育する状態と似た状態をつくり、保管できるのが特長。同クリニックによると新たな培養システムは5日間の培養で、発育率が従来の静置培養法に比べて16%向上したという。

 同システムは2月に完成し、これまでマウスでの実験を進めてきた。今後、人間の受精卵を使い、安全性と有効性を検証し、臨床での利用を開始したい考え。乾院長は「人体により近づいた形で体外受精ができる。受精卵の発育率と品質、胎児の発生率が高まり、体外受精治療成功率の向上が見込める」と話している。

 同クリニックは研究内容を26、27の両日、さいたま市で開催される日本卵子学会で発表する。

 県産業振興センターの「ふくしま産業応援ファンド事業」の採択を受け、同システムの開発に取り組んできた。