養殖の評価...『うなぎ』上り? 福島高・スーパーサイエンス部

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試食会に向け、東京に届ける養殖ウナギの準備作業を進める生徒=福島高

 本県復興や地域活性化に向け、魚の成育に適した「好適環境水」を使用したり、栄養価の高いニホンウナギの養殖研究に取り組む福島高(福島市)のスーパーサイエンス(SS)部。研究に携わる生徒が飼育した養殖ウナギの商品化を判断する関係者向けの試食会が27日、東京で初めて開かれる。「本県の新たな特産品にしたい」と意気込む生徒たち。試食を通して評価が"うなぎ上り"となるか注目される。

 「社会の役に立ちたいと研究してきた。養殖ウナギで復興に貢献したい」と話すのは研究グループ班長の3年太田裕亮さん(17)。SS部は本県水産物の風評払拭(ふっしょく)を目指し、2013(平成25)年に好適環境水の研究を始めた。マダイやトラフグを飼育し、15年からはウナギの養殖も始めた。校内に複数の水槽が設置され、現在約200匹のウナギを飼育、毎日、成長具合を調査している。

 「魔法の水」とされる好適環境水で育つ魚は、体内の浸透圧調整などのエネルギーを使わないため、SS部のこれまでの実験でも通常の半分の期間で成長することが確認された。

 また、今年3月からは藻類の一種で栄養豊富な「ミドリムシ」の研究開発を行っている「ユーグレナ」(東京)の協力を得た実験も始めた。淡水の中でミドリムシの粉末を混ぜた餌を与え、栄養価の高いウナギを飼育する考えだ。太田さんは「付加価値を高め、一般の養殖ウナギと差別化を図りたい」と狙いを語る。

 試食会は日本橋のうなぎ料理店が会場。持ち込むウナギは淡水と好適環境水で飼育した約20匹。店に調理を手伝ってもらい、SS部を支援する関係者にかば焼きを提供する。品質が良ければ、商品化につながり、ウナギを出荷するようになる。3年の紺頼楓さん(17)は「復興に向け丹念に育ててきた。おいしいと喜んでもらいたい」と願う。

 ウナギの商品名は、福高(ふくこう)、復興、ミドリムシにちなみ「ふっこうミドリ鰻」と命名する予定という。

 SS部は2007年度に同校が文部科学省から「スーパーサイエンスハイスクール」の指定を受けたのを機に設立。先進的な学習で社会をリードする人材育成に取り組む。創部12年目を迎える今年は、1~3年生約140人が所属している。本年度の「第28回みんゆう県民大賞」のふるさと創生賞に選ばれた。