農業再生...「サツマイモ」本格生産へ 楢葉町と大阪の企業連携

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サツマイモの苗を植える社員ら

 東京電力福島第1原発事故からの農業再生に向け、楢葉町は本年度、新たな主力作物に位置付けるサツマイモの本格生産に乗り出す。サツマイモの菓子製造・販売などを手掛ける白ハト食品工業(大阪府)と連携し、作付面積を昨年度の約1.5ヘクタールの8倍に当たる約12ヘクタールに拡大する。産地化を進めて雇用を創出し、住民の帰還促進につなげる。

 原発事故に伴う避難指示が2015(平成27)年9月に解除された町は、除染を進め16年に本格的な営農を再開した。風評による米価下落などを受けてコメだけに頼らない農業基盤の構築を模索する中、菓子や焼酎など用途が広く加工品としての需要が見込め、農家の安定収入が期待できるサツマイモの生産に着目。主力商品の大学芋が国内販売シェアの8割を占め、被災地の営農支援に意欲を示していた白ハト食品工業と昨年10月に協定を結んで販売先を確保、約1.5ヘクタールの畑で実証栽培に取り組んできた。

 今年は、避難などにより生産を休止している複数の農家から計約12ヘクタールの畑を借り、同社グループの農業生産法人「しろはとファーム」の福島支店(楢葉町)が中心となって栽培する。秋に収穫するサツマイモは菓子の材料となる。将来的に作付面積50ヘクタール以上への拡大を目指す。福島支店がアルバイトを受け入れるなど雇用が生まれており、今後は正社員も採用する方針。

 同社の社員と町職員ら計約40人が28日、楢葉町下繁岡の畑約3ヘクタールにサツマイモの苗を植えた。松本幸英町長は「楢葉町の農業の形が変わりつつある。営農再開と町民の帰還につなげたい」と話した。