松江豊寿の志を胸に『歓喜の歌』 会津第九の会、大合唱に出演

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節目を祝う大合唱を響かせた大合唱団=2日夜、鳴門市文化会館

 現在の徳島県鳴門市にあった板東俘虜(ふりょ)収容所のドイツ兵捕虜がベートーベンの交響曲「第九」をアジアで初めて演奏してから100周年を迎えた同市で2日、記念する演奏会が開かれた。初演当時、収容所長を務めていたのは、旧会津藩士の血が流れる松江豊寿。約600人の大合唱団は、捕虜の尊厳を守り、第九初演につなげた松江の志を胸に歓喜の歌を響かせた。

 本県からは、合唱団として「会津第九の会」「ふくしま『第九』の会」の会員らが出演。同市では、毎年6月第1日曜日に演奏会を開催。今年はアジア初演100周年を記念し、2、3の両日、合わせて2回の演奏が行われる。3日は、中通りの第九愛好家でつくる「ふくしま第九"すみだ歌う会"」の会員が舞台に立つ。

 会津若松で9月演奏会「鳴門の熱意引き継ぐ」

 会津第九の会のメンバーらは9月に会津若松市で100周年を記念した演奏会を開く予定で、鳴門市の演奏会は大きな刺激になったようだ。

 会津若松市の演奏会は9月24日、會津風雅堂で開かれる。合唱団350人、オーケストラ80人が出演する予定だ。同市ではこれまでで最大規模の第九演奏会となる。同会の事務局長、小沢久美子さん(63)は「鳴門の演奏会の熱意を引き継いでいきたい。会津と松江豊寿、第九の結び付きについて知ってもらう機会にしたい」と話す。

 「会津で松江の知名度は高くない」。同会は演奏会を松江を広く知ってもらう機会にしようと意気込んでいる。会員の男性(44)は、鳴門と会津での松江に対する温度差を感じ取ることがあるという。

 松江は若松市(現・会津若松市)の第9代市長も務め、同市の滝沢浄水場開設に尽力したが「松江の功績に触れたり学習する機会がなかなかない」(長谷川さん)のが実情。「鳴門でお土産を買って、会津から来たと言えば、すぐ『松江さんですね』との答えが返ってくる。会津ではそうはならない」と長谷川さん。9月の演奏会には鳴門の愛好者も参加する予定。鳴門の人々が松江を通じた縁を会津から感じ取れる環境づくりが今後の課題となりそうだ。