安全守る!いわきの海水浴場 福島県初ライフセーバー団体誕生

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ライセンス取得を目指して今井さん(左)の指導でトレーニングに励むメンバー

 いわきの海水浴場は自分たちの手で守る―。県内初のライフセービングクラブ「いわきサーフライフセービングクラブ(SLSC)」がいわき市に誕生し、活動を開始した。海難救助のエキスパートとして間もなく訪れる海水浴シーズンの安全確保だけでなく、いまだ再開できない同市の海水浴場存続を担う救世主としても、期待が寄せられている。

 市内のサーファーやサーフショップ経営者、トライアスロン協会員ら有志16人で1日に結成した。

 メンバーの一人で、日本ライフセービング協会に所属する神奈川県在住のライフセーバー今井恵子さん(39)=いわき市出身=の協力を得て、メンバーが5月下旬からライフセーバー(海難救助員)資格取得のための講習に取り組んでいる。同市は、7月14日に海開きする勿来海水浴場で試験的にライフセーバーを配備する予定で、海開き前の資格取得を目指す。

 市内の海水浴場ではこれまで、住民や地元のサーファーが監視員を担い安全確保にあたっていた。しかし海で溺れた人の救助などは許されておらず、ライフセーバー資格を取得することで、海難事故発生時の早急な対応が可能になるという。

 代表を務めるNPO法人勿来まちづくりサポートセンター理事長の舘敬さん(66)は、海の楽しみ方やライフセービングの普及活動に取り組んできた。2年前、市内で海水浴客の救助にあたった一般男性が亡くなる事故が起きたことを機に「普及だけではなく、ライフセーバーを地元で育成する仕組みをつくらなければ」と立ち上がった。

 「活気を」再開も後押し

 発足のもう一つの目的は市内海水浴場の存続だ。今夏、市内で海開きする海水浴場は震災前の9カ所の半数にも満たない3カ所のみ。防潮堤整備など復旧工事が続いていることが理由だが、住居移転などで住民が減り、監視員を確保できずに再開できない海岸もあるのが現状だ。クラブではライフセーバーの育成を通じ、海水浴場再開の後押しも図りたいという。

 ただ現在、同クラブで資格を持ち、経験もあるメンバーは今井さんのみ。当面は今井さんの協力を得ながら資格取得に向けた活動を進める予定だ。舘さんは「資格を取得してもすぐには活躍できない。経験も必要で、時間をかけて体制を充実させていきたい」とした上、「海水浴場を安全で震災前のように活気のある場所に戻したい」と願っている。