【全国植樹祭・未来の森へ】緑あふれる古里に...思い描く将来像

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総合リハーサルでメッセージを朗読する宮田君(左)と山本さん。「この場所にも緑があふれるようになってほしい」と古里の将来像を思い描く

 「森林が自然災害を防いでくれることを授業で勉強した。いつかはこの場所も緑があふれるようになってほしい」

 南相馬市で10日に開かれる全国植樹祭に地元の児童として参加する同市の大甕(おおみか)小6年の宮田直春君と山本日和さんは、古里の将来像を思い描く。

 同校では、5、6年生約50人が総合的な学習の一環として森林づくりについて学習している。昨年度は地球温暖化や生態系、土砂災害と森林との関わりなどを調べ、保全活動の重要性を学んだ。色鮮やかなパンジーやビオラといった花々を校内の花壇に植えるなど自然を愛する心を育んでいる。こうした日ごろの活動を通じ、全国植樹祭への意識を高めている。

 2人は大甕小緑の少年団の団長と副団長を務めており、全国植樹祭では森林づくりに取り組む重要性や東日本大震災の悲惨さ、本県に寄せられた支援に対する感謝などを伝えるメッセージを朗読する。

 本番まで約1カ月に迫った5月中旬の総合リハーサルでは入念に流れを確認した。大役に「笑顔ではっきり話すことを意識して福島が頑張っているところを発信したい」と決意を語る。

 「全国植樹祭は古里を見つめるきっかけになる。かつて復興を成し遂げた先人の存在を知ってほしい」。大甕小の林典行校長(53)は、江戸時に起きた「天明の大飢饉(ききん)」で相馬中村藩が多くの餓死者を出しながらも、用水路の修理・新設や北陸からの移民受け入れなど「報徳仕法」によって再興した地域の歴史を、現代に重ね合わせる。災害の性質は異なるものの「愛郷心がなければ、古里を立て直すことはできない」。

 本県の海岸防災林は江戸時代の造成に由来するとされる。植栽や間伐などの管理により世代を超えて引き継がれ、津波が発生するまで約400年にわたり住宅や農地を守ってきた。

 林校長は「今はあまり理解できなくても、子どもたちが大人になったときに全国植樹祭に参加した意義を分かってほしい」と、次代を担う児童の成長とともに海岸防災林の復活を願う。