『農泊』名所づくり...西会津を第二の故郷に 荒海さん住民と交流

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農泊を通じて西会津町奥川の魅力を伝える荒海さん(右)と宿泊場所を提供する鈴木さん

 西会津町出身で、今年3月まで古里の地域おこし協力隊員だった荒海正人さん(26)は9日、同町奥川地区で農泊業務の一部を代行する取り組みを始める。町を訪れる人たちに住民と触れ合い、地域の良さを広く知ってもらうことが目的だ。取り組み名を「イナカギ」と銘打ち、来訪者に「第二の故郷」と思ってもらえるような農泊の名所づくり、ブランド化を目指す。

 イナカギは「田舎」と「鍵」を組み合わせた造語。荒海さん自らが地域に多くの人を呼び込む「鍵」になりたいと願っての名称だ。大学卒業後、地域おこし協力隊員となった荒海さんが地元で働くきっかけとなったのは東日本大震災。「県内の人口が減り、西会津も将来どうなるのかと不安になった」と語る。

 地区で農泊を行う人もいたが、来訪者が住民と触れ合う機会が決して十分とは言えなかった。荒海さんは業務として観光客らに宿泊施設を選ぶ際のアドバイスをし、夕食では料理上手な住民の協力を得るなど地元住民との接点を増やす取り組みに力を入れる。地域を知り尽くした案内人のトレッキングなどで田舎の良さを肌で感じてもらう事業も考えている。

 現在協力している宿は3軒。農泊施設「グリーン奥川」の鈴木満子さん(78)は「珍しい取り組みで、できる限り協力したい」と期待する。

 町は地域おこし協力隊員を積極的に採用し、観光や移住定住対策などに取り組んでいる。廃校となった旧中学校の木造校舎を使う西会津国際芸術村では、農山村の新しい価値観の創造にも努めている。

 荒海さんは「町を訪れる人が増えれば住民も元気になる。町で行われているさまざまな取り組みと協力、相乗効果を狙いながら西会津を活気づけたい」と意気込む。

 荒海さんの取り組みに賛同する農泊施設で9日、同施設の家主に会うイベント、10日には田植えやなめこの菌打ち体験などができるワークショップを開く。イベントは午後1時~同5時、ワークショップは午前9時~同11時。宿泊料金は1泊6000~1万円と前後する。