「両陛下」福島ご来県、最後の被災地訪問 原発避難者いたわる

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出迎える県民らに手を振られる天皇、皇后両陛下=9日午後4時20分ごろ、いわき市のスパリゾートハワイアンズ

 天皇、皇后両陛下が9日、全国植樹祭の式典出席などのため、東北新幹線の臨時専用列車で本県に入られた。いわき市の県復興公営住宅「北好間団地」を訪れた両陛下は、東京電力福島第1原発事故で避難した双葉郡の住民と懇談。天皇陛下は「ご苦労も多かったと思いますが、それを乗り越えてこれからより良い生活を築いていかれるよう願っています」といたわった。11日まで滞在する。

 東日本大震災と原発事故後、両陛下の本県訪問は6度目。来年4月30日に退位する陛下にとって在位中の被災地訪問は最後になりそうだ。

 両陛下は9日午後にJR郡山駅に到着、内堀雅雄知事から本県の復興の現状について説明を受けた後、車で移動した。

 北好間団地では富岡、大熊、双葉、浪江4町から避難した入居者と懇談。両陛下は避難生活の苦労や前向きに取り組む住民の姿に関心を寄せられ「最初は情報がなくて大変でしたね」「少し落ち着かれましたか」と語り掛けた。

 双葉町の男性(68)は、埼玉県加須市での避難生活を説明。天皇陛下は「大変だったことは何ですか。その後どうですか」と気遣われた。浪江町の女性(68)が請戸の田植え踊りの継承について話すと、天皇陛下は「(踊りが)人を結び付ける機会になるんでしょうね」と笑顔を見せた。

 懇談後、両陛下はスパリゾートハワイアンズで全国植樹祭のレセプションに出席したほか、フラガールのショーを観賞。北好間団地での両陛下の様子について内堀知事は記者会見で「改めて福島への思いの強さを感じた」と述べた。県によると、9日の一般歓送迎者数は沿道を含め1万74人。

 10日は、いわき市から全国植樹祭会場の南相馬市原町区雫(しどけ)地区に向かう途中で福島第1原発を望む常磐道を通過する。また、雫地区の慰霊碑に拝礼した後、植樹祭に出席する。11日は、震災直後の11年5月に訪れた相馬市原釜地区で震災慰霊碑に供花。福島市で古関裕而記念館を見学した後、JR福島駅から帰京する。

 「全国植樹祭」10日開幕

 第69回全国植樹祭は10日、天皇、皇后両陛下を迎え、南相馬市原町区雫で開かれる。出席者が「育てよう 希望の森を いのちの森を」をテーマに、東日本大震災の津波によって約6割の海岸防災林が失われた本県から森林を未来につなぎ、復興へ歩む姿を発信する。両陛下は、「クロマツ」の苗木などを植えられる。