両陛下の温かい言葉...福島県民「再建の力に」 復興住宅訪れる

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佐々木さんら被災した住民らと懇談する天皇、皇后両陛下=9日午後3時25分ごろ、いわき市・北好間団地集会所

 全国植樹祭の出席のため9日に本県入りした天皇、皇后両陛下は、東京電力福島第1原発事故で避難した被災者が生活するいわき市の県復興公営住宅「北好間団地」を訪れ、入居者を見舞い、温かい言葉で励まされた。懇談した入居者は「生活再建を目指す力になった」「私たちに寄り添ってくれていることを感じた」と感謝し、両陛下の言葉を胸に前を向いた。

 懇談には同団地に入居する浪江町の佐々木繁子さん(68)、富岡町の伏見敏夫さん(78)、大熊町の田子島屋邦子さん(63)、双葉町の渡部勝以さん(68)の4人と町長らが出席した。

 津波で自宅を失った佐々木さんは避難後、自身が浪江町請戸地区の伝統芸能「田植え踊り」の写真提供を呼び掛けていることを伝える福島民友新聞の記事をきっかけに連絡が取れた関係者の協力を受け、同踊りの継承に取り組んできた。両陛下から「頑張ってください」と励まされた佐々木さんは「つらいことがあるかもしれないが、頑張っていこうと強く思った」と胸を熱くした。

 かつて富岡町職員として働き、将来的に古里に帰りたいという伏見さんは、その思いを両陛下に伝えた。皇后さまから体が不自由な妻への気遣いの言葉を掛けられ、「本当に優しい声だった。早く妻に伝えたい」と感激していた。

 発達障害児への理解を深めるボランティア活動を続ける田子島屋さんは、両陛下と過ごした時間に「自分の宝物だし、感無量」と笑みを浮かべた。「今までやってきたことが間違いではなかったと思った」と話した。

 地元で商店を営み、震災後は東京都、埼玉県、いわき市を転々とした渡部さんは当時の苦労を伝え、両陛下の温かさに触れた。「退位されたら、ゆっくりと休んでいただきたい。そしてまた福島県に来てほしい」と語った。