両陛下がお手植え...緑豊かな『県土再生』 南相馬・全国植樹祭

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緑の少年団の子どもたちと触れ合いながら、お手植えする天皇陛下=10日、南相馬市

 第69回全国植樹祭が10日、天皇、皇后両陛下を迎えて南相馬市原町区雫(しどけ)の海岸防災林整備地で開かれた。両陛下は将来的に防災の役割を果たすクロマツなど6種類の苗木を植樹された。県内外から集った約8000人の参加者は大会テーマ「育てよう 希望の森を いのちの森を」を胸に、緑豊かな県土の再生を誓った。

 両陛下は宿泊先のいわき市から植樹祭の式典会場に向かう途中、東京電力福島第1原発事故に伴う帰還困難区域を通過した。宮内庁によると、雨のため福島第1原発は見られなかったが常磐道で近くを通った時に車の速度を緩め、原発の方向を眺められたという。

 植樹祭は式典直前に雨がやみ、予定通り実施。冒頭、参加者全員で震災の犠牲者に黙とうした。お手植えで両陛下は「緑の少年団はどうですか」「時々成長しているところを見に来てくださいね」と平成に育った子どもたちに優しく声を掛け、未来につながる森林づくりのバトンを託した。

 主催者あいさつで内堀雅雄知事は「福島に心を寄せてくれる方と共働の輪を広げ、復興をさらに前に進めたい」と述べた。宮内庁や内堀知事によると、両陛下は式典後、参加者が雨に濡(ぬ)れずに植樹祭を終えることができたことを喜び、「たくさんのさまざまな人の思いが通じたのかもしれませんね」と心遣いをされたという。

 来年4月末に退位する天皇陛下にとって最後の植樹祭で、東日本大震災の被災地での開催は初めて。本県では猪苗代町天鏡台で開かれた1970(昭和45)年以来、48年ぶり2回目。来年の愛知県開催から皇太子さまが引き継ぐ予定だ。

 両陛下が雨の中、津波犠牲者慰霊

 天皇、皇后両陛下は11日、相馬市原釜地区を訪問し、海岸近くにある津波犠牲者の慰霊碑に花を手向け、黙礼した。東日本大震災から7年3カ月の月命日。激しい雨が降る中、両陛下は付き添いに傘を手渡し両手でシラギクを供花され、犠牲者の霊を慰めた。

 皇后さまは10日夜から発熱。11日早朝には38.1度の熱があったが、最後まで公務を務められた。陛下が皇后さまを気遣うように腰に手を当て、お二人で階段を上る姿も見られた。

 両陛下は11日、大漁旗を掲げた漁船が並ぶ同市の相馬原釜地方卸売市場も訪れ、水揚げされた魚を魚種ごとに選別する様子や青ノリなどの水産加工品を視察。午後には福島市の古関裕而記念館を訪れた。

 一般歓送迎者数は9日から3日間で3万人を超えた。県民は震災直後から被災者に心を寄せてきた両陛下に感謝の気持ちを伝えた。両陛下は午後5時ごろ、JR福島駅から帰京、最後となる見通しの被災地訪問を予定通り終えた。