只見線復旧へ工事開始 不通の川口-只見駅間、利用増加策が焦点

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復旧工事が今後行われる第5只見川橋梁=15日、金山町

 2011(平成23)年7月の新潟・福島豪雨で一部区間が不通となっているJR只見線について、JR東日本は15日、不通区間の会津川口―只見駅間(27.6キロ)の復旧工事を開始した。橋梁(きょうりょう)や線路、信号などの復旧工事を進め、21年6月までの工事完了と21年度中の再開通を目指す。

 被災前の会津川口―只見駅間の利用者数は1日当たり49人(10年度実績)と低迷。代行バスとなった後も同37人(16年度実績)とさらに減っており、全線復旧までに利用者増への道筋をどう付けられるかが焦点となる。

 15日に金山町で起工式が行われ、石川明彦JR東日本常務は「県や沿線自治体と連携し、実施可能な取り組みを進めていく」、内堀雅雄知事は「日本一の地方創生路線となるよう利活用に取り組む」と語った。

 JR東日本によると、復旧工事は同日から3年以内の21年を想定。橋脚などが流された第5~7只見川橋梁では橋脚や橋桁の復旧を行い、第8橋梁は橋脚を補強する。ほかに、信号の復旧や土砂撤去などを行う。工事完了後、不通区間での運行訓練を数カ月行った上で、再開通させる。

 只見線の復旧を巡っては、県が鉄道や駅舎などの鉄道施設を保有、JRが車両を運行する「上下分離方式」を採用。総額約81億円の復旧費用のうち、JRが3分の1に当たる約27億円を負担する。

 15日に改正鉄道軌道整備法が国会で成立したため、残りの約54億円のうち国が約27億円、県と会津17市町村が約27億円を負担するとみられる。県と会津17市町村は復旧に向け、約21億円の積立金を確保している。

 復旧後は、年間運営費の地元負担分として約2億1000万円がかかる見通し。このうち、県が7割の1億4700万円、会津17市町村が3割の6300万円を負担することで合意している。

 県は3月、只見線全線復旧を見据えた利活用計画を策定。観光地へ向かう二次交通機関の確保や、インバウンド(訪日外国人旅行客)の受け入れ態勢整備などの事業を展開し、利用者増につなげる方針だ。

 起工式には内堀知事らのほか、吉田栄光県議会議長、長谷川盛雄金山、菅家三雄只見両町長、菅家一郎衆院議員らが出席し、くわ入れを行った。