【原発ゼロへ・第2原発廃炉表明】見えない廃炉工程 背景に「40年ルール」

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松本町長(右)に第2原発の廃炉方針を伝える大倉代表(中央)と石井武生福島第2原発所長=15日午後4時ごろ、楢葉町役場

 「具体的な時期を早期に示してほしい」。東京電力トップの福島第2原発廃炉表明から一夜明けた15日午後。第2原発が立地する楢葉町の松本幸英町長は、廃炉方針を伝えるために訪れた福島復興本社の大倉誠代表に詰め寄った。「廃炉」の方針だけは明らかになったものの工程は示されず、懸案は残ったままだ。

 「問題は使用済み核燃料や廃炉作業で生じる廃棄物の処分方法だ」。角山茂章県原子力対策監は廃炉作業の課題を指摘する。第2原発1~4号機の使用済み核燃料プールには計1万76体の燃料がある。東電と日本原子力発電(原電)は、青森県むつ市に使用済み核燃料を一時的に保管する中間貯蔵施設「リサイクル燃料貯蔵」を持つが、貯蔵には容量や地元理解などのハードルがある。第2原発構内で保管となれば、新たな建物も必要になる。

 廃炉表明の背景には、原発の運転期間を巡り判断を迫られていた経緯がある。

 第1原発事故を受け改正された原子炉等規制法は、原発の運転期間を原則40年とする「40年ルール」を定めた。運転開始から40年となるまでに、原子力規制委員会から延長認可を受けなければ、時間切れで廃炉は避けられない状況だった。第2原発全4基のうち、最も早い1982年4月に稼働した1号機はタイムリミットまで4年を切り、延長審査をクリアするのに数年かかると想定すれば、東電の判断には後がなかった。

 県庁では原発ゼロに光が差し込んだことを歓迎する声が聞かれた。「Jヴィレッジを核とした地域の復興に取り組もうとしている中、廃炉方針の表明はよかった」。県エネルギー課の担当者は、廃炉方針を報じる新聞を眺めながら話した。

 サッカー施設「Jヴィレッジ」(楢葉、広野町)は7月28日に一部再開、来年4月に全面再開を控える。国内外から多くの利用が見込まれる中、施設近くに位置する第2原発の存廃が懸案だった。懸念材料はやはり工程。「早く県民を安心させてほしい」。県は国や東電に工程を明示するよう要請することなどを含め、次の一手を見据える。