浪江・請戸の歴史後世に 区長ら「大字誌」発行、住民などに配布

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浪江町請戸地区の住民が発行した「大字誌ふるさと請戸」

 東日本大震災や東京電力福島第1原発事故を受け、古里の歴史と避難生活の苦悩などを後世に伝え、住民の絆の維持につなげようと、浪江町請戸地区の住民が「大字誌(おおあざし)ふるさと請戸」を発行した。

 請戸地区は津波で大きな被害を受け、一部は住居を新築できない災害危険区域に指定されている。地元を離れ、生活を再建する住民も多いことから、地区の歴史を残そうと鈴木市夫区長や元浪江町教育委員長の紺野広光さんら11人が刊行委員会をつくり、1冊にまとめた。

 震災前後の地区内の写真を集めた「郷愁編」、地区の古代~現代の歴史について専門家5人が執筆した「歴史編」、津波・原発被災の記録や歴代区長、区会の年表をまとめた「資料編」で構成。郷愁編には、地区の伝統芸能「田植え踊り」や豊漁や海上の安全を祈願する「安波祭」の写真などを掲載した。「請戸の声」と題して住民の震災に対する思いなども書かれている。

 鈴木区長は「住民の心の支えとして活用してもらえればうれしい」と話している。A4判・208ページ。800部発行し、19日までに地区住民や浪江町役場、福島、郡山、いわき、相馬、南相馬の5市の図書館などに贈った。