和解案「1人10万円」提示 福島・渡利の裁判外紛争解決手続き

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 東京電力福島第1原発事故を巡り、特定避難勧奨地点への指定が検討された福島市渡利地区の住民が東電に慰謝料を求めた裁判外紛争解決手続き(ADR)で、原子力損害賠償紛争解決センターが、東電は約190世帯に1人当たり10万円を支払うのが妥当とする和解案を示していたことが22日、住民側への取材で分かった。

 和解案では、特定避難勧奨地点への指定が検討された渡利地区内の2地点から、半径500メートル圏内の世帯を慰謝料の対象とした。住民側と東電側は7月31日までに和解案を受諾するかを回答する。同様のADRでは東電が和解案の受諾拒否を続け、手続きが打ち切られる例が相次いでおり、東電の対応が注目される。

 特定避難勧奨地点は、局所的に放射線量が高い場所を政府が指定し、住民に避難を促す制度。南相馬、伊達、川内の2市1村で281世帯が指定を受けた。渡利は未指定だったが、同地点と同等の放射線量を示す場所が複数観測されたとして、1107世帯3107人が2015(平成27)年7月、東電に1人当たり月額20万円の精神的慰謝料などを求めて和解仲介を申し立てていた。

 住民側弁護士は福島民友新聞社の取材に「和解案の内容は不満だが、受諾するデメリットはない。申立人と受諾の方向で話を進めたい」とした。東電は「ADRは非公開の手続き。詳細は控える」としている。