はやぶさ2小惑星到着 開発に協力、心躍る会津大チーム

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解析ソフト「HEAT」を使って熱データの変換作業をする出村さん(右)と須古さん

 2014年に打ち上げられた宇宙航空研究開発機構(JAXA)の探査機はやぶさ2が27日、地球から約3億キロ離れた小惑星「りゅうぐう」近くの目標の位置に到着した。太陽系の成り立ちや生命の起源の手掛かりを得ることが期待され、計画の責任者は「人類未踏の宇宙科学探査の入り口に立つことができた」と語った。

 はやぶさ2では、小惑星表面の含水鉱物の分布を調べる機器「近赤外分光計」の開発などで、会津大の研究チームが関わっている。

 協力しているのは、先端情報科学研究センター宇宙情報科学クラスター(研究チーム)などの教員9人と学生、院生。探査機と小惑星間の距離を測る「レーザ高度計」の運用や、着陸する際に必要となる、惑星表面の物理状態を調べる「中間赤外カメラ(熱カメラ)」の研究開発などにも同大が協力している。

◆「初代の時以上に興奮」データ解析にわくわく

 「これからデータ解析が進む。わくわくでありどきどきだ」。

 探査機はやぶさ2のプロジェクトに携わる会津大研究チームの出村裕英教授(47)は目的地到着に心躍らせた。27日、同大で連絡を受け「未知の調査は研究者の技術力を高め、研究に携わる人を育てる。そして夢を与える」と語った。

 会津大の技術は、2010(平成22)年に小惑星イトカワの微粒子を持ち帰った初代はやぶさにも生かされた。初代では、出村さんら教員2人と学生らが宇宙航空研究開発機構(JAXA)と小惑星の3次元モデルを作製するなど、小惑星への着陸成功へと導いた。

 初代は加速に使用するイオンエンジンや姿勢制御装置の故障など幾多のトラブルに見舞われた。

 出村さんは「初代のミッションはまさに綱渡りだった。度重なるトラブルで全てが挑戦だった」と振り返る。はやぶさ2では、初代の反省を生かしてイオンエンジンの耐久性を高め、推進力を向上させた。姿勢制御装置も増設するなど、さまざまな改良が加えられたという。

 目的地到着に「一つのミッションをするのに10年かかる。やっとここまできた」と初代に思いをはせた。

 プロジェクトには学生も協力する。会津大生が引き継いできた、はやぶさ2に搭載されている「中間赤外カメラ(熱カメラ)」のデータ解析ソフト「HEAT(ヒート)」の開発・運用を手掛ける大学院の須古健太郎さん(23)。

 小惑星の表面温度を調べることで表面の物質が砂か岩かなどを判別でき、最適な着陸地点を決定することができるという。須古さんは「これを機にはやぶさに興味を持つ人が増えてほしい」と期待を込めた。

 JAXAではやぶさ2の到着を見守った平田成上級准教授(47)は「惑星探査の醍醐味(だいごみ)は人類未到の星の姿を目の当たりにできること。無事に到着したことで13年前に参加した初代はやぶさの時と同じか、それ以上の興奮を味わっている」と喜んだ。