福島医大が「食道がん」新治療導入 レーザー光を当て腫瘍破壊

  このエントリーをはてなブックマークに追加 

 福島医大病院内視鏡診療部長の引地拓人医師(48)のグループは本年度、内視鏡で特殊なレーザー光を当て、食道がんを壊死(えし)させる治療「光線力学療法(PDT)」を導入した。東北では東北大病院、秋田大病院に次ぐ3施設目で、放射線治療後もがんが残ったり、再発した患者への新たな選択肢として期待されている。

 腫瘍に集まり光に反応する性質を持つ薬品を注射し、4時間後に口から挿入した内視鏡を使いレーザー光を当てて腫瘍を破壊する。2015(平成27)年に京都大の武藤学教授(福島医大卒)らが行ったPDTの治験では、26人中23人で食道がんが消えたという。

 福島医大ではこれまで、2人の患者にPDTを実施。4月に治療を受けた70代女性は、食道の粘膜下層までがんがあり、抗がん剤と放射線治療で一度がんが消えた4年後に再発。PDT後は食道がんが消失し、経過は良好だという。5月下旬にPDTを受けた1人の患者は経過観察中。同大では今後、年に10人程度の治療を見込んでいる。

 引地部長は「従来なら治療を諦めなければならない食道がん患者に新たな治療の選択肢ができた」としている。PDTを受けるには一定条件が必要で、「まずはかかりつけ医に相談してほしい」と呼び掛けている。