「路面診断システム」開発 19年度運用、車の振動で劣化把握

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 宮下地区建設業協同組合と福島県建設業協同組合、情報サービスのベンチャー企業「toor(トア)」(三島町)が独自の路面診断システムを開発し、県内で来年度から本格運用に乗り出す。システムは道路を走る車の振動をデータとして解析、路面の傷み具合を把握できるのが特長だ。道路パトロールカーを活用して初期投資を抑えるほか、路面の劣化が進む前に修繕することで工事費の抑制につなげる。

 衛星利用測位システム(GPS)を備えたドライブレコーダーを使う。走行車両に伝わる振動のデータを、携帯電話回線を通じて即時に集め、膨大な情報量のビッグデータとして蓄積。toor社が提供するシステムでビッグデータを解析、地図上に落とし込むことで、道路の劣化状況を見分けられるようにする。振動が大きくなれば路面にひびが入ったり、地盤が沈下したりしているのが分かる仕組みだ。

 追加機器の費用は車両1台当たり10万円以下と低コストを実現した。日常的に各地を走る道路パトロールカーに搭載すれば路面の傷みを軽いうちに発見し、通行止めにしなくても修繕工事が可能で、効率化が見込まれるという。

 県建設業協同組合などは今秋にもシステムの試用版を提供し、県の受託事業として来年度から運用を本格化させる。サービスの全国展開も目指す考えだ。

 開発の背景には地方の人口減少や建設業を取り巻く厳しい経営環境がある。人口減で道路の維持管理にかかる負担が増える一方、建設業界内でノウハウを持つ熟練者が少なくなり、技術継承が課題となっている。

 宮下地区建設業協同組合の滝沢康成理事(山十建設社長)が29日、東京都内で開かれた建設トップランナーフォーラムで事例報告した。滝沢氏は「道路補修工事は劣化が進行してしまった後での『後追い型』だったが、予防補修を徹底すれば費用を大幅に削減できる」と強調した。