福島県産米輸出が過去最高に 和食ブーム追い風、17年度上回る

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 本年度の県産米輸出量が過去最高を更新する見通しとなったことが30日、関係者への取材で分かった。農林水産省が海外など新市場開拓に向けて本年度から創設した産地交付金の県内の申請規模が過去最多の輸出量となった昨年度の122トンを既に上回り、更新が確実な状況となった。国内のコメ需要量が年間約8万トンペースで減少する中、各産地が海外での和食ブームを追い風に輸出戦略を展開しており、県内の生産者や県、各JAは収穫量向上やコスト低減、風評対策の強化などに取り組み、今後激化する海外での販路開拓競争に挑む。

 東日本大震災後の2012(平成24)~13年度はゼロとなったが、その後は回復傾向にある。

 18年産の輸出用米は喜多方市の農家5人が13ヘクタール、JA会津よつばの猪苗代町の水稲部会が10ヘクタールに県オリジナル水稲品種「天のつぶ」などを作付けした。日本食レストランの多いシンガポールなどに約130トンの輸出を想定している。同JAによると、天のつぶは主食用米の主要銘柄コシヒカリと比べ1~2割ほど多く収穫できる多収性品種で、流通を含めコスト削減が不可欠となる輸出用米に適しているという。

 ほかにも輸出用米を作付けしている農家がいたり、交付金を活用していないケースもあり、輸出量はさらに伸びる可能性が高い。

 コメを輸出する場合、国内市場に出荷するのと比べ価格が1俵(60キロ)当たり4000~5000円程度安く、これまでは敬遠されがちだった。ただ、18年産からは農水省が10アール当たり2万円、県が同1万円の交付金を助成する制度がスタート。さらに一部の市町村では独自の交付金を設け、国内、国外市場の価格差を補う仕組みが整い、海外に活路を見いだす動きが加速している。

 一方、東京電力福島第1原発事故を踏まえ、アジア圏を中心に風評が根深いことから、県や各JAなど関係団体はトップセールスなどを通して、県産米の安全性をアピールする。

 JA会津よつばの担当者は「国内の市場価格も不透明。ほかの産地に先駆けて輸出を一つのチャンネルにして、リスクの回避につなげたい」としている。