表札で生まれ変わる「かしまの一本松」 家庭の守り神になって

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表札に生まれ変わった一本松を見て喜ぶ五賀会長

 東日本大震災の津波に耐えたが、枯死などの理由で昨年12月に伐採された南相馬市鹿島区南右田の「かしまの一本松」が3日、地元住民らの家庭に飾られる表札に生まれ変わった。「市民を見守る家庭の"守り神"になってほしい」とかしまの一本松を守る会の五賀和雄会長(77)は話し、一本松が今後も市民の「心のよりどころ」となることを願った。

 相馬地方森林組合が電動のこぎりやかんなで縦21センチ、横9センチ、幅3センチの表札に加工した。同組合によると、一本松は松くい虫の被害などがあり、表札にできるのは木全体の1割に満たないが、約30個の表札が作れると見込んでいる。作業は早くても今月いっぱいはかかりそう。

 作業を見守った五賀会長は、一本松が木目の美しい表札に姿を変えると「立派だ。大丈夫だ」と安堵(あんど)し、喜んだ。表札は守る会が地元住民らに提供するという。

 一本松のあった同市鹿島区南右田では津波で行政区の全70世帯が流失し、54人が犠牲になった。五賀会長は「一本松には犠牲者の思いが詰まっている。表札が震災で受けた市民の悲しみを少しでも癒やす存在になってほしい」と話した。

 五賀会長によると、守る会から一本松の一部を譲り受けた相馬市の男性が木製のオカリナ約50個を作製したという。守る会は一本松の子孫を残す取り組みを進めており、県が南相馬市鹿島区で計画している防災林の一角に植樹される予定。