野生化のブタ「交雑少ない」 福島大、8市町村でイノシシ分析

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原発事故後の本県のブタとイノシシの交雑状況を研究した(左から)兼子准教授、藤間さん、根岸さん

 福島大共生システム理工学類の兼子伸吾准教授(40)らの研究グループは4日、東京電力福島第1原発事故後に野生化した家畜ブタと野生イノシシの交雑の有無を調べた研究結果を発表した。浪江町では28頭中3頭、大熊町では5頭中1頭からブタ由来のDNAが検出された。研究グループは「交雑の割合は一般にイメージされているより少ないことが分かった」としている。

 同グループは大熊町、浪江町や福島市など県内8市町村で捕獲した75頭のイノシシのDNAを分析した。同グループによると、分析の結果、本県のイノシシは遺伝的な多様性が非常に低いことが判明。このことから、県内のイノシシで形態などの異常が見つかった場合、放射線の影響よりも近親同士の交雑による異常の可能性が高い、としている。

 「検証し風評払拭」

 兼子准教授は「原発事故後の福島の生き物については、(イノブタが増えているなど)根拠なく信じられているケースが多い」と指摘。「科学的にきちんと検証することは風評や不安を払拭(ふっしょく)し、福島で起こったことを正しく理解する上で大切だ」と意義を語った。

 同グループは、同日までに日本生態学会誌「保全生態学研究」に論文を発表した。研究は同大共生システム理工学類修士2年の藤間理央さん(23)が学部時代の卒業研究として取り組んだもので、兼子准教授と同大環境放射能研究所のトーマス・ヒントン特任教授、同大共生システム理工学類修士1年の根岸優希さんらが加わった。

 福島大が4日開いた定例記者会見で兼子准教授と藤間さん、根岸さんが発表した。