東邦銀行、東証と協定締結 地域経済発展へ福島県企業上場支援

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協定書を取り交わす北村頭取(右)と宮原社長

 東邦銀行と東京証券取引所(東証)は5日、県内企業の上場支援に関する基本協定を結んだ。県内の上場企業数は12社で、宮城県の22社に次いで東北で2番目に多いものの、製造品出荷額(2016年工業統計速報)が東北トップの4兆8千億円に上るなど、上場企業となり得る潜在力を秘めた企業は多いという。地域企業とのネットワークを持つ銀行と、東証が有する上場準備支援や審査のノウハウを生かすことで、上場企業数を増やして地域経済の発展につなげる。

 東証が運営する市場第1部、第2部、新興市場マザーズ、ジャスダックに加え、上場基準が緩和されたプロ投資家向け市場「TOKYO PRO Market」(トーキョープロマーケット)への上場を支援する。具体的には企業向けのセミナーの開催や行員と東証社員による企業訪問、人材交流などを進める。

 東証が東北の地銀と同様の協定を結ぶのは七十七銀行(仙台市)に続き2例目。東邦銀は16年から東証と連携したセミナーの開催や上場を目指す企業への訪問などに取り組んできた。

 福島県内企業成長後押し

 県内企業の上場支援に関する基本協定を結んだ東邦銀行と東京証券取引所(東証)は、双方の強みを生かしながら東日本大震災で受けたダメージの「回復」を優先してきた県内企業に上場を促し、成長を加速させる狙いだ。

 同行によると、上場することで企業の知名度や社会的信用度が高まり、営業面で有利に働いたり、従業員の確保につながるなどのメリットがあるという。県内企業は他県に比べ上場に対する意識が低い上、リーマン・ショックや震災の発生で上場による企業の成長よりも再建が課題となった。

 県内で上場している企業のうち、サービス業のこころネット(福島市)は震災後の2012(平成24)年に上場したが、準備をその数年前から始めており、震災後に上場した県内の企業はまだないと言える。

 東邦銀行の北村清士頭取は5日の協定締結式で「県内でも上場の機運が高まったが、震災で見直さざるを得なかった。今になってもう一度検討してみようとする企業が少しずつ出てきた」とし、「上場する可能性のある企業はたくさんある。そのお手伝いに力を入れていきたい」と述べた。

 東証の宮原幸一郎社長は「福島県は再生可能エネルギーやロボットなど新しい産業や雇用の創出に力を入れており、上場できる潜在的な企業はかなりあると期待している。協定締結を機に、企業の復興から成長に貢献していきたい」と語った。