AIで「クマ」発見...位置情報配信 会津大が検出システム研究

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 会津大の斎藤寛上級准教授らの研究チームが人工知能(AI)を活用して特定の動物を感知、位置情報をメールで配信する「野生動物検出システム」の研究開発を進めている。まず、対象動物としてクマを選んで研究する。実用化できれば農作物の被害や人に対する不安の軽減につながり、農村や都市部の安全確保へと期待が掛かる。

 研究は情報通信技術(ICT)分野の技術開発などを目指す総務省の「戦略的情報通信研究開発推進事業」(SCOPE)の一環。研究チームは研究代表者の斎藤上級准教授に富岡洋一准教授と小平行秀上級准教授が研究分担者として加わる。研究チームによると、メール配信を含んだ野生動物検出システムの研究開発は、全国でも珍しいという。

 システムでは動物を感知するセンサーや小型カメラ、コンピューターシステム、無線関連機器などを一体化した検出端末を現場に設置するが、センサーが感知した画像情報全てを入力していては大量のデータ処理などに伴うコンピューターシステムの負担が問題になってくる。

 研究チームはAI技術の一つ「機械学習」の活用で課題の解決を目指す。数万枚のクマの画像データを蓄積したAIをコンピューターシステムに組み込み、クマだけを感知、撮影することができるようにする。AIに蓄積する画像データの種類を変えれば、イノシシやシカなどほかの動物にも応用が可能だ。

 検出情報は同大に設置したサーバーを通して自治体や警察、近隣の学校、市民らへ配信される。配信された情報はWebページやスマートフォン上で24時間閲覧ができる。クマの出没時間や場所などが地図付きで表示できるような仕組みづくりにも挑む。
 検出端末の設置場所は山あいと住宅地の境や川沿いなどを想定。センサーは約6~10メートル先の対象動物を感知することができるという。検出端末の年度内完成を目指す。

 斎藤上級准教授らは「(実用化できれば)野生動物の被害を減らせる。子どもたちなど市民の不安を払拭(ふっしょく)し、安全の確保につながる」と開発を急ぐ。