首長の「防災力」強化へ着手 福島県新事業、認識共有化目指す

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 200人以上の犠牲者を出しいまだに行方不明者の捜索が続く西日本豪雨を受け、県は防災計画など事前の備えを大幅に上回る大災害に対応するため、県内各市町村の地域防災力を強化する事業に着手する。西日本豪雨で岡山県倉敷市真備町への避難指示のタイミングなどが問題視される中、有事の際の適切な避難勧告・指示の在り方など、西日本豪雨の教訓をテーマに災害対応を首長と共に考え、共通認識化することで人命や財産などの減災を図る。内堀雅雄知事が17日の定例記者会見で方向性を示した。

 西日本豪雨による河川の氾濫で大きな被害を受け、真備町地区では高台への避難指示が深夜に出された。自治体による避難勧告・指示は河川の水位や気象庁の発表といった客観的な情報が一定基準に達した場合に出されるが、どのタイミングで踏み切るかは難しい問題となっている。こうした現状から県は、各市町村の首長の災害対応能力が被害規模や減災に直結するとみて、西日本豪雨の被災地で復興対応に当たる専門家を招いた県内全市町村長参加の会合を年度内に開き、対応の在り方を共有化する。

 西日本豪雨では、浸水や土砂災害などで亡くなった犠牲者の中で高齢者が目立つ。自力避難が困難だったり、自治体の情報が十分伝わらないことで逃げ遅れる可能性の高い「災害弱者」への対応も急務だ。県は会合で災害弱者の把握や有事の避難などについても首長らと意識の統一化を図る。

 また今回の豪雨被災地では、酷暑に伴う避難所の環境悪化や道路にたまった災害ごみの処分などが新たな課題として浮上。県は会合で地震や大雨などの災害を想定し、避難・救助から仮設住宅への入居、インフラ復旧など発災時から1週間先を見据えた対応方針や災害対応業務の優先順位などについても検証を進める。

 内堀知事は会見で「災害はいつ起きるか分からないという緊張感を自治体やトップが持ち続けることが重要だ」と述べ、県、市町村が一体となった取り組みの意義を強調した。