現役女子短大生『芸妓』デビューへ 成田さん猛稽古「頑張る」

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西川さんの指導で踊りの稽古に励む成田さん(左)

 現役短大生が来春の芸妓(げいぎ)デビューを目指し稽古に励んでいる。会津若松市の成田夏菜(かな)さん(19)。短大卒業後、「佳(か)つ乃(の)」の芸名で同市の東山温泉の花柳界(かりゅうかい)入りすることを決めた。一時は100人を超えた東山芸妓衆も現在は約20人。それだけに関係者の期待は大きく、東山温泉芸妓屋協同組合理事長で置屋「花佳(はなよし)」のおかみ今村初子さんは「意志が強い子。後に続く人が出てくるぐらいに成長してほしい」と願いを託す。

 成田さんは、短大で会津伝統の漆工芸などを学ぶ。小学2年生から剣道を始め、着物も大好き。以前から会津の伝統文化に興味を持つ中、東山芸妓と触れ合う機会があり、その踊りの美しさに魅了された。礼儀作法にも感心させられた成田さんは、しばらく悩んだ後に「会津の発展にも貢献できる」と自ら花柳界入りを決意、両親に思いを伝えた。最初は戸惑った父忠弘さん(46)と母しのぶさん(42)だが、「頑張る」という成田さんの決意を受け入れ、今では応援する側だ。

 「人より覚えるのが遅いから、人より多く練習しないと」。踊りの稽古に励みながら、同時に礼儀作法も学ぶ厳しい世界。稽古場で学んだことを忘れないよう家に帰っても練習を続ける日々。贈られた大鏡の前で2時間以上繰り返すこともある。

 同級生に「芸妓さんになる」と明かした時にも、とても驚かれた。進み始めたのは、今まで歩んできた人生とは全く別の道。踊りもまだまだ半人前だが、踊りの基本を指導する宗家西川流直門の西川寛さん(36)は「剣道経験者で体の芯がしっかりしている。何より努力する姿に好感が持てる」と期待を寄せる。

 「会津の伝統文化を多くの人に広めたい。今は一生懸命に努力するだけです」と成田さん。東山温泉を支えてきた芸妓衆。新たな一歩を踏み出し始めた新人が奮闘している。