【沖縄便復活への道】福島県への関心低調 活発な民間交流望み

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平日から多くの観光客でにぎわう国際通り。双方向の空港利用者をどう増やすかが定期路線復活への重要な要素となる

 福島空港と沖縄・那覇空港の定期路線復活に向けた福島、沖縄両県による官民連携組織「うつくしま・ちゅらしま交流・福島空港利用促進連絡会」の設立総会が20日、那覇市で開かれ、福島―沖縄便の再開に向け官民挙げた取り組みが本格始動した。日本航空(JAL)グループの撤退に伴う2009(平成21)年1月の運航休止から9年、連絡会の活動で定期便は復活できるのか、道筋を探る。

 「定期路線の再開は福島県民にとって悲願だ。交流促進と定期路線再開に向けて力を尽くしていきたい」

 連絡会の会長に就いた須賀川商工会議所会頭の渡辺達雄(74)は設立総会で思いを熱く語った。県や市町村、各地区の商工、観光団体の幹部ら約20人の訪問団が沖縄を訪れた総会に、路線復活への決意がにじむ。沖縄県側も県や本県ゆかりの市町村、観光団体などから約30人が出席し、思いを語った。しかし関係者の熱気とは裏腹に、那覇市内の繁華街・国際通りや観光案内所で「福島」の文字を目にすることはなく、本県への関心の高さは伝わってこない。

 国内25都市と定期路線を結び、年間2000万人超が利用する那覇空港は夏休み前の平日にもかかわらず、多くの家族連れらでにぎわっていた。1994~2009年に運航された「福島―沖縄線」は約15年間で約102万人搭乗したが、本県からの利用者が9割以上を占め、沖縄からは1割に満たなかった。沖縄の場合、東京と大阪、福岡を除く地方路線では軒並み、沖縄側からの利用を求める声が強い。沖縄観光コンベンションビューロー事務局長の目島憲弘(47)は「沖縄への観光誘致に地方路線の維持・就航は重要だ」と話す。定期便の維持を目的に同ビューローは13年から、25都市の観光地や産品を紹介する「旅フェスタ」を開催している。

 那覇空港は滑走路が1本の空港として国内2番目に便数が多く、混雑解消に向けた第2滑走路の整備が進められている。20年3月に予定される滑走路の増設を見据え、沖縄路線の増便や復活を期待するのは本県だけではない。また、全国的な傾向と同様、沖縄もインバウンド(訪日外国人)が好調で、県や観光関係者の関心は高い。同県によると、那覇空港を利用した昨年度の観光入り込み数は約958万人(国際線270万人、国内線688万人)と5年連続で過去最高を更新。特に台湾をはじめとするインバウンドの伸び率が高い。

 こうした状況の中、沖縄県内からは、本県に特化した誘客に頼らざるを得ない空気は感じられない。一方で、03年の「うつくしま・ちゅらしま交流宣言」や東日本大震災を機に、民間や市町村間で交流が進められてきたケースは他県などと比べて多い。沖縄県観光振興課誘致企画班長の知花弘恵(45)は「連絡会の設立で、民間ベースなどでこれだけの交流があることが分かった」と、観光面での相互誘客に向けた需要の掘り起こしを期待する。

 路線復活の重要な要素となる双方向の利用者増に向け、沖縄県民に本県の価値をどうアピールし、関心を引き付けられるか。空港の利用促進に特化した初めての官民組織を構築した両県の手腕が問われる。(敬称略)