田部井淳子さんの遺志背に「富士登山」 東北の高校生96人登頂

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登頂を果たし喜びの笑顔を見せる高校生ら=25日午前9時5分、富士山頂

 2016(平成28)年10月に77歳で亡くなった登山家田部井淳子さん(三春町出身)の遺志を引き継ぎ、東日本大震災で被災した東北の高校生が富士山(3776メートル)登頂を目指すプロジェクト「東北の高校生の富士登山2018」は25日、静岡県富士宮市の富士宮ルート6合目からの登山に挑み、参加した本県の高校生84人を含む高校生96人全員が山頂に立った。

 生徒たちは午前3時ごろ、満天の星空の下、6合目の山小屋を出発した。天候に恵まれ、順調に歩を進め約6時間後の同9時ごろ山頂に到着。山頂では達成感いっぱいの生徒たちの笑顔があふれた。

 同行した田部井さんの夫政伸さん(76)は生徒たちに「一歩一歩ゆっくりでいいんだよ」と励まし続け、山頂では握手で迎えた。「うちのおばさん(淳子さん)が見守っててくれたおかげで良い天気の中登れたのだと思う」と顔をほころばせた。

 白河高3年の女子生徒は小学1年から背骨が一部ずれ、狭い歩幅でしか歩けない腰椎すべり症、高校1年からはうつの症状に悩まされていた。現在は療養のため休学中だが、「病気を乗り越えて強くなりたい」と参加を決意。「今回のスタッフをはじめ家族や友人などいろいろな人に支えられて今、ここにいるんだと実感できた」と登頂の喜びをかみしめた。

 同プロジェクトの参加者数は本県を中心に宮城、岩手両県の高校生延べ575人となり、今回で淳子さんが目標としていた千人の半数を超えた。

 田部井淳子基金の主催、文部科学省、福島民友新聞社などの後援。東日本大震災の復興支援として12年から毎年行われており、今年で7回目。3年連続でタレントのなすびさん(42)=福島市出身=も同行した。