「イノベ構想」地元参入強化 与党復興提言、技術・経営力支援

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 自民、公明両党の東日本大震災復興加速化本部は27日、第7次復興提言を安倍晋三首相に官邸で手渡した。提言では浜通りに新産業の集積を図る福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想について「進出企業と地元企業が連携し、新たな産業集積の動きを点から面に広げる」と明記。震災から7年4カ月が経過した中、産業再生に不可欠な同構想の進捗(しんちょく)に向け、廃炉やロボット、小型無人機(ドローン)の各分野で進出企業と地元企業が参画しやすい仕組みづくりを政府に強く促した。

 政府は与党と調整し、本年度末に見直す復興基本方針に提言内容を反映させる見通し。復興・創生期間が終わる2020年度末まで3年を切った中、イノベーション・コースト構想をどう具現化し、被災地の再生につなげるかが焦点となる。

 同構想を巡っては、ロボット実証拠点「福島ロボットテストフィールド」(南相馬市、浪江町)や日本原子力研究開発機構(JAEA)が運営する廃炉国際共同研究センターの国際共同研究棟(富岡町)、楢葉遠隔技術開発センター(楢葉町)などが整備された一方、地元からは「企業が張り付く動きがまだ鈍く、恩恵を感じられない」と成果を疑問視する声が上がる。このため与党の復興本部は提言で、企業誘致と地元企業の参入に向けた取り組みの両面を強めるよう求めた。地元企業の技術力、経営力の強化を支援し、進出した企業とのマッチングを進めることも要請した。

 また、東京電力福島第1原発の廃炉工程の進展を見据え、「地元企業が参入の見通しを立てられるような方策を検討すべきだ」と提言。企業誘致の支援策では、福島イノベーション・コースト構想推進機構を中心に国と県、市町村が一体となり、広域的に取り組む体制づくりを求めた。

 このほか提言では、20年度末で廃止される復興庁の後継組織を巡り、本格的な検討の必要性を指摘した。大熊、双葉両町に残る居住制限、避難指示解除準備両区域で除染や生活環境の整備を急ぎ、19年度末までに避難指示を解除する目標を掲げた。

 提言を受けた安倍首相は「被災者が安心して未来を見つめられるよう、政権一丸となって引き続き全力で復興に取り組む」と述べた。