騎馬武者の雄姿「浪江に戻ってきた」 復活に感動!相馬野馬追

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8年ぶりに町内で行われた騎馬武者行列。沿道の人が騎馬武者に水を差し入れするなどし、行列を支えた=28日午前、浪江町

 相馬、南相馬、浪江の3市町で28日に開幕した国指定重要無形民俗文化財「相馬野馬追」。浪江町で8年ぶりに再開した騎馬武者行列はあいにくの雨にもかかわらず、騎馬武者たちが古里で堂々とした行進を繰り広げた。沿道に駆け付けた町民や観光客らは復活した行列に感動、りりしい姿の騎馬武者たちに盛んに声援を送っていた。

 浪江町、大熊町、双葉町の騎馬武者たちが属する標葉(しねは)郷騎馬会は、浪江町が昨年3月末に一部地域を除き避難指示が解除されたことを受け、同町での騎馬武者行列の再開を模索。自治体や商工会など関係機関とも調整してきた。

 「古里に戻ってきたと感じた。震災前と同じ気持ちになる」。同騎馬会の脇坂博副会長(69)は感慨深げに語った。今回、震災前とほぼ同じ規模の56騎が出陣した。脇坂副会長は「来年、再来年と続けていかなくては」と気を引き締めた。

 騎馬武者たちが行進した沿道には事業を再開した店舗とともに、震災で壊れたままの家屋や家屋を取り壊し、さら地になった所などが目立った。しかし、町内に帰還した人や今も町外で避難生活を続ける人たちなどが詰め掛け、騎馬武者たちの雄姿を見守った。

 浪江町からいわき市に避難する会社役員の男性(39)は「大人に交じって子どもが馬に乗って行列する姿が良かった。浪江町から再び出陣することはたいしたものだ」と目を細めた。

 行列が行われた権現堂地区の区長佐藤秀三さん(73)は「地元から出陣できるようになったのは大きな節目」と声を弾ませた。区長として震災前と同様に騎馬隊を先導した。

 騎馬武者の一人横山秀明さん(43)は「8年ぶりに浪江町での出陣が実現した。感無量」と喜ぶ。町内には現在、震災前の人口の約4%、777人が居住登録している。「避難先から駆け付けた人もいた。復興へ大きな一歩を踏み出せた。29日の凱旋行列では標葉郷の騎馬武者全員が堂々と凱旋(がいせん)したい」と毅然(きぜん)とした表情を見せた。