慧日寺の象徴再び 「薬師如来坐像」完成披露、往時の姿をしのぶ

  このエントリーをはてなブックマークに追加 
完成した薬師如来坐像を感慨深げに見上げる五十嵐源市磐梯町長(手前)ら=磐梯町・慧日寺跡金堂内

 福島県磐梯町の国指定史跡慧日寺(えにちじ)跡金堂の復元展示物・薬師如来坐像(ざぞう)の完成披露式典が30日、同史跡で行われた。

 1200年前に高僧徳一(とくいつ)が「仏都会津」の礎として築いた慧日寺の復元金堂の中に、象徴となる薬師如来坐像がよみがえった。

 国指定の史跡で本尊の仏像が展示物として自治体の手で復元されたのは全国で初めて。東京芸大の制作チームが3年がかりで仕上げた。

 坐像が除幕されて金堂に現れると、見学者は写真を撮ったり、思わず手を合わせたりしながら慧日寺の往時の姿をしのんでいた。

 仏像復元を実現させた五十嵐源市町長は「伽藍(がらん)の様子が一目で分かり、歴史に学ぶことができる場所にしたい」と、復元事業の意義を語った。

 坐像に向けて手を合わせる来場者の姿を見た法相宗大本山興福寺の多川俊映貫首(かんす)は、祈る人の思いが像に乗ることで仏になっていくと説いた。また「東日本大震災の復興が進まない現状がある。その祈りを込め、私はこれは福島復興如来だと感じている」と語った。

 東京芸大学長、東儀さん演奏

 除幕式では東京芸大学長でバイオリニストの沢和樹さんが「タイースの瞑想(めいそう)曲」などを披露。病苦を救うとされる薬師如来にちなんだ「癒やしと祈り」をテーマに、坐像に託された期待を演奏に込めた。

 また夕刻には雅楽師の東儀秀樹さんが記念コンサートを開いた。平安装束をまとった東儀さんは金堂前のステージで「越天楽幻想曲」などの曲を演奏。坐像復元の経緯を知った東儀さんは「慧日寺を幾度も復興させてきた先人の思いを、若い人がつないでいることがうれしい」と語った。