俳優・西田敏行さんに「県民栄誉賞」 震災後、福島県民励ます

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 福島県は30日、郡山市出身の俳優西田敏行さん(70)に県民栄誉賞を授与すると発表した。内堀雅雄知事が同日の定例会見で「長年にわたり多くの映画やドラマに出演し、歌手や司会者としても第一線で活躍を続けている。震災後は県産農産物の販売や県のPR動画出演など、さまざまな形で県民を励ましている」と表彰理由を説明した。表彰式は9月17日、郡山市の郡山ビューホテルアネックスで行われる。

 県民栄誉賞の受賞は、登山家の故田部井淳子さんらに続き4人目。西田さんは所属事務所を通し「大変名誉なこと。福島県に生まれて、福島県を故郷に持つこと、福島県民の矜持(きょうじ)を俳優として貫きます。福島県民の皆さま、ありがとうございました」とコメントした。

 西田さんは1967(昭和42)年に俳優としてデビューして以来、映画、テレビ、舞台と多方面で活躍、国内外で高い評価を受けてきた。震災後は中高一貫校「ふたば未来学園高」を支援する「ふたばの教育復興応援団」の一員として子どもたちを励ましたほか、震災から50年後の本県を描いたミュージカル動画「MIRAI2061」に出演するなど復興支援に尽力。2015年には福島民友新聞社の創刊120周年記念「第25回みんゆう県民大賞」芸術文化賞を受賞している。

 県は以前から、県民栄誉賞の授与を検討してきたが、西田さんが4月に旭日小綬章を受章したことなどを機に授与を決めた。内堀知事は「今後も福島の活力や風評払拭(ふっしょく)に力をいただきたい」と話した。

 「故郷愛」「風評払拭に力」 県内から祝福

 「福島に対して深い愛情を持ち、復興支援にも取り組んでくれた。素直にうれしい」。俳優の西田敏行さん(70)=郡山市出身=に県民栄誉賞の授与が決まった30日、県民から祝福の声が相次いだ。

 「大きな力を貸してくれた恩は忘れられない」。県産品の風評払拭(ふっしょく)を目的に2011(平成23)年6月に設立されたインターネットショップ「福島屋商店」副理事長の三田公美子さん(75)は西田さんの故郷を思う姿勢を忘れない。

 ショップのホームページを開設する際、知人を介して西田さんに協力を求めると、二つ返事で「何でもやる。応援する」と快諾してくれた。ほぼ無償で西田さんが自身をモチーフに描いたキャラクターを提供してくれたという。三田さんは「胸を熱くしてくれる故郷愛がある人だからこそ受賞に結び付いたはず」と喜んだ。

 小原田小、中学校時代の同級生でアイワ不動産(郡山市)社長の村上賢一さん(70)は「子どものころから変わらない純粋さがある」と語った。郡山市に帰ってきた際には役者仲間を連れてくることも多いという。「地道に福島の魅力を発信し続けている。復興への貢献度は計り知れない」とたたえた。小原田小5、6年の時に西田さんを担任していた須賀川市の君島主一(かずいち)さん(86)は「福島をいつも思ってくれて改めてありがとうと伝えたい」と目を細めた。