「農業用ダム」記録的猛暑で枯渇危機 福島県・貯水率平均40%

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猛暑により貯水率が低下している須賀川市の藤沼ダム=7月29日午後2時50分ごろ

 県は1日、記録的な猛暑や少雨の影響で県内の主要な農業用ダムの貯水率(7月30日現在)が平均40%となり、少ないところでは平年の約4割まで低下したと発表した。会津や中通りを中心に水不足が深刻化しており、会津美里町の新宮川ダムや須賀川市の藤沼ダム(藤沼湖)は枯渇する恐れが出てきた。コメ作りは、最も水が必要な「出穂(しゅっすい)期」を迎えており、生産団体や生産者が対応に苦慮している。

 県が同日、福島市で高温や少雨の対策を共有する緊急の会議を開き、JAなどの関係団体に貯水状況を示した。7月30日現在、調査対象の県内26カ所の農業用ダムのうち、14カ所で安定的に水を供給できる目安の50%を下回った。

 会津宮川土地改良区によると、新宮川ダムは1日現在の貯水率が28.4%で前年同期と比べ約3割に減少。過去最悪の渇水を記録した1994(平成6)年と同程度の危機的な状況に陥り、今後の天候によっては貯水量がゼロとなる見込みとなった。同改良区は同日、ダムの放流量を抑制して、かんがい用水の供給をコシヒカリなどの主要品種が出穂期を迎える今月中旬まで維持する方針を決めた。

 会津の一部ではダムから水田にかんがい水を引っ張れず、地割れが発生。少しずつ枯れている稲も確認されている。高温・渇水対策本部を設置したJA会津よつばの担当者は「水田がカラカラでは穂に実が入らない。病害虫の発生も懸念される」と危機感を強める。

 藤沼ダムを管理する江花川沿岸土地改良区の担当者は「あと1週間ほどで水が空っぽになってしまう」と頭を悩ませる。県南7市町村の水田約3200ヘクタールに利用されている羽鳥ダム(天栄村)では水量調節のため各地区に順番で水を供給する「番水」の対応を取った。

 県は1日、県内の渇水情報を土地・水調整課のホームページに掲載した。原則火曜日に情報を更新する。

 県によると、県内の治水ダムは全て貯水率50%を上回っており、農業ダムに比べ緊急性は低いという。