【福島の犬猫・殺処分ゼロへ】命つなぐ場に 保護猫カフェが橋渡し

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君島さんが手におやつを塗ると猫が一斉に集まってきた。君島さんが「信頼関係を築けば猫は必ず懐く」と言う通り、カフェの猫は驚くほど人懐こい

 見知らぬ人にも近づいて、膝の上でリラックスする猫たち。NPO法人保護猫カフェlove.lab(ラブ・ラブ)が運営する郡山市の保護猫カフェ「ラブ・ラブ」では、人に慣れた様子の猫がかわいらしいそぶりを見せる。ここにいるのは、過去に保健所に引き取られるなどした「保護猫」出身の猫たちだ。

 同NPO理事長の渡辺愛子さん(42)と副理事長の君島貴之さん(44)が2人で運営。郡山市保健所が収容した猫を預かり、新しい飼い主が見つかるまで無償で世話している。譲渡対象外の猫もおり、店内のカフェスペースで触れ合える。

 気軽に立ち寄り

 7月2日、子猫2匹の引き取りを検討している郡山市の自営業男性(46)と妻(49)が店を訪れた。「目の離れ具合が以前飼っていた猫に似ている」。その1匹と、仲の良いもう1匹を引き取ることを決めた。「保健所は殺処分のイメージが強く行きにくかったが、ここは気軽に立ち寄りやすい」

 2014(平成26)年の開店以来、フェイスブックなどで猫の情報を公開し、約800匹の猫を新たな飼い主につなげてきた。県内各保健所によると、保健所と連携して新たな飼い主を見つけるこうした取り組みは県内では他に例がなく、郡山市保健所の職員は「保健所は土日は職員が少なくなる問題があるが、ここは土日もしっかり面倒をみてもらっている。ありがたい」と感謝する。

 人手と資金不足

 殺処分ゼロに向けて役割を果たしている同NPOだが、人手不足と資金不足という大きな問題を抱えている。猫は幼いほど世話が大変で、人手が足りない状況が続いている。君島さんは「ゆくゆくは保健所から預かった猫を一時的に隔離して病気の有無などを確認するシェルターを作りたい。だが、資金面の問題がある」と話す。ボランティアの自主的な取り組みを、どのようにして公的に支えていくかが、課題の一つだ。

 郡山市の会社員(29)は14~15年にラブ・ラブを通じて3匹の猫を引き取った。元々犬好きだったが、猫カフェとしてラブ・ラブを利用し、猫の魅力のとりこになった。現在では週1回同店でボランティアとして猫の世話や来客対応を担当している。「保護直後はつんつんしていた猫も、たくさん遊んで触れ合うと変わる。この猫たちにも命があると、多くの人に伝えたい」