【福島の犬猫・殺処分ゼロへ】里親を探す...引き取りに行政補助

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里親募集中の犬を抱くスタッフ。震災後、本県では被災ペットの救助などに取り組む団体が県内外から参入した=7月27日、福島市のSORAアニマルシェルター

 犬や猫を入れて、炭酸ガスを注入する「殺処分機」の扉が開く様子を、親子らは息をのんで見守った。機械を動かす操作盤なども公開され、「怖くて見ることができない」と見学を控える親子もいた。

 殺処分機を披露

 神奈川県平塚市の県動物保護センターで7月に開かれた見学会。同県は横浜市などを除く管轄地域で、犬は5年連続、猫は4年連続で殺処分ゼロを達成している。担当者はこの日、「負の遺産として見ておいてもらいたい」と、しばらく使用していないためクモの巣が張った殺処分機を披露した。

 見学会ではスタッフが子猫を世話する様子も紹介された。子猫は生後数日とみられ、目も開いていない。数時間おきにミルクを与える必要がある。ボランティアの協力を得て育て、飼い主を探す。本県ではこの大きさの子猫は育てずに殺処分の対象になるという。

 殺処分ゼロを達成できた理由について同センターの上條光喜業務課長(57)は「ボランティアとの共同作業」を挙げる。センターには収容された犬猫を引き取り里親を探す譲渡ボランティア56組、見学会などを主催する啓発ボランティア3組が登録している。

 1匹に1万円

 同センターは譲渡ボランティアが犬猫1匹を引き取るごとに1万円の補助金を出す。「本来センターがやるべき仕事をやってもらっている。丸投げするわけにはいかない」と上條課長。

 本県でも東日本大震災と東京電力福島第1原発事故後、避難区域からのペットの救助などに当たるボランティアの活動が目立つようになった。こうしたボランティアと行政との連携体制の構築はまだ道半ばで、本県が直面する課題となっている。

 福島市のSORAアニマルシェルター(福島市)は震災、原発事故後から県内で活動を始め、被災したペットの救助に携わってきた。現在は病気の犬猫やほえ癖のある犬など、ほかに行き場がないと思われる犬猫の保護と里親探しも行っている。

 代表の二階堂利枝さん(47)は「行政は頼りにならない」と感じることが多いが、いずれ状況が変わり、協力できる時が来るかもしれないと期待もしている。「資金、人手不足など大変なことは多いが、幸せな時間をくれる動物たちをこれからも助けていきたい」